京都観桜編(4):法隆寺~法輪寺(08.3)

 それでは東院伽藍へと向かいましょう。その前に途中にある大宝蔵院で寺宝を見学。スレンダーで優美な百済観音像や玉虫厨子を拝見しました。後者に描かれている密陀絵・「捨身飼虎図」については勝手に世界最古のアニメーションと見なしているのですが(異時同図法)、今回はじっくりと見ることができました。そして夢殿へ、こちらでは枝垂れ桜が八分咲き。
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 花ごしに夢殿を撮影し、少し先にある中宮寺に行きましょう。若い頃に惚れこんだ弥勒菩薩像と、旧交をかわしました。もし抱きついてよいのでしたら、わたしゃ広隆寺弥勒菩薩像よりもこちらを選びますね。本堂は修復中で、シートの隙間から一所懸命に働いている宮大工の姿が垣間見られました。
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 そして今来た道を戻りますが、この参道の桜並木は五分咲きでした。
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 さて法起寺・法輪寺の塔を見にいきますか、すると一天にわかにかきくもり小雨が降り出しました。門前にある喫茶店で、わらび餅と珈琲をいただいてしばしの雨宿り。異郷の地で雨を見ながら飲む珈琲の味はまた格別です。雨もあがったので自転車にまたがり出発、十分ほどペダルをこぐと法輪寺に到着です。こちらの三重塔は残念ながら1944(昭和19)年に落雷により焼失し、現在の塔は、作家幸田文氏らの尽力により、1975(昭和50)年に再建されたものです。
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 境内には「観音の しろきひたいに やうらくの かげうごかして かぜわたるみゆ」という会津八一の歌碑があります。彼の歌に出会うと、大学時代、新潮文庫の「会津八一歌集」を片手に友人と二人で奈良の古寺めぐりをした思い出がいつもいつもよみがえります。大垣止まりの普通(急行?)列車(今でもあるのでしょうか)に自転車を分解・携行して(いわゆる「輪行」)乗り込み、普通列車を乗り継いで奈良に到着。宿は高畑にある奈良教育大学の学生寮。帰省している学生の部屋を、一泊200円で使わしてくれましたっけ。朝食は抜き、昼食は食パンのみ、夕食はご飯と缶詰(サバの水煮かカツオのフレーク)。キャンピング・ガスバーナーと飯盒を持参したので、奈良町で米を買い、部屋の中で(!)ご飯を炊きましたね。とにかく一銭でも経費を抑え、一箇所でも多くの古寺・古墳を訪ねようとした旅でした。たしか期間は一週間、もちろん一回も風呂に入らず、ひたすらペダルをこいで奈良の主な見どころはすべて踏破しました。今、山ノ神に提案したら、即座に三行半を叩きつけられそうな汚い/貧しい旅ですが、懐かしい思い出です。F君、元気ですか。今にして思えば、いかに費用を安くできたかを誇る「貧しさの美学」が往時の学生には横溢していたような気がします。学生にとっては、自家用車や海外旅行なんて見果てぬ夢の時代でした。

 本日の二枚です。
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by sabasaba13 | 2008-12-23 07:32 | 京都 | Comments(0)
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