途中にあった奈良県物産陳列所は、和風建築に洋風を加味した重要文化財。残念ながら中には入れませんでしたが、前にあった小ぶりな枝垂れ桜が八分咲きでした。
奉納された二つ組の石灯籠(何故ツインなのだろう?)が並ぶ参道を歩き、春日大社のあたりを左手に曲がり若草山方面へと向かいましょう。
若草山の麓にある桜並木は一分~二分咲き、満開にはほど遠そうです。二月堂を通り過ぎ、三月堂の舞台に上って大仏殿・公園・奈良の町並みを見晴らしましたが桃色に染まるにはまだ早いようです。
築地塀の続く雰囲気の良い道を大仏殿へと向かい、五分咲きの桜と鹿たちを眺めながら南大門を抜け、金剛力士像に挨拶をして、さあ近鉄奈良駅へと戻りましょう。
おっ、奈良国立博物館の前あたりが怪しく薄桃色に輝いています。いそいそと行ってみると、そこは氷室神社、ほぼ満開の桜に出会うことができました。中でも枝ぶりの見事な枝垂れ桜には目が釘付け。こちらは早咲き桜の穴場です。
近鉄奈良駅に着き特急列車で京都に戻りましょう。ふと駅構内にあるゴミ箱が目に止まりましたが、その捨て口が東京のものに比べて大きいですね。これには鉄道会社の見識を感じます、それとも関西人的合理性の為せる業かな。
特急に乗り込んで三十分強で京都駅に到着。地下鉄で五条駅まで行き、定宿のホテルでチェック・インをして荷を置き、さあ夕食を食べにいきましょう。前回の京都錦秋旅行では飛び込みで行こうとして断られた和食「かじ」という店を、羹に懲りて膾を吹く、今回は一ヶ月前に予約しておきました。地下鉄烏丸線丸太町駅で下車して、丸太町通りを西に徒歩十分ほど歩くと到着です。周囲の雰囲気も店構えも、いかにも京都!という風情はあまりないのですが、味は保証します。3800円のコースを所望したのですが、京野菜を中心とした滋味深い料理の数々には大満足です。
さてそれでは宿に戻りましょう。地下鉄の駅まで歩道を歩いていると、もう京都名物と言ってもいいのかな、傍若無人・唯我独尊的に置かれた自転車の山によくでくわします。これは個人のモラルの問題であるとともに、行政の責任でもありますね。「しぶちん」精神に満ち溢れているためでしょうか、京都では自転車を愛用する方が多いようです。それ自体はまったく間違っていないのですから、自転車専用道路や駐輪場の整備に行政はもっと力を入れるべきだと愚考します。蛇足ですが、環境破壊をくいとめる重要なキーワードが"Shibutin"ではないでしょうか。
本日の四枚です。