伊予・讃岐編(7):豊稔池ダム(04.2)

 観音寺からタクシーで向かうは、豊稔池ダム。ここ讃岐平野、中でも大野原地区は、昔から水不足・干害に悩まされました。「嫁にやるなよ大野原の里へ 夜も夜伽のない里ぞ」といわれるほど水の確保に追われたのですね。その対策として多くの溜池があります。その溜池をつくるために、1930(昭和5年)に完成したのが豊稔池ダムです。そしてここは日本で唯一のマルチプルアーチ・ダム。小さなアーチを連続して並べて水の圧力を分散させ、そのアーチのつなぎ目をバットレス(支柱)で支えるという構造のダムです。写真を参照してください。材料費が安くて済む工法なのですが、実は普及しません。公共事業予算をぶんどれないので、業者が採用しなかったのだと邪推します。ま、それはともかく基本的に「ダムはムダ」という意見なのですが、このダムに関しては写真を見ただけでその風格・風貌に圧倒されました。そして実際にこの目で見て、期待は裏切られなかった… す、ご、い。存在感あふれ古色蒼然とした石積み。(受益者となる付近の農民が、石を切り出し組み上げて築造) 古城のように屹立するバットレス。支柱と支柱の間に入ると背後の石のアーチが数万トンの水を支えていることをひしひしと感じ、畏敬の念と恐怖さえ覚えます。ダムの上部にのぼり、「立入禁止」のチェーンを乗り越え水面の方を見ると、優雅に弧を連ねたアーチが湖面に映えます。近代化遺産の魅力は、人知・人力とローテクを駆使して、一生懸命に世のため人のために尽くそうという無骨なまでの佇まいだと思います。そういう意味でこのダムは至高の逸品。来て、見て、触れてよかった。なお梅雨時には「ゆるぬき」というダイナミックな放水も見られるそうです。ああああああああああああああ、見てみたい。
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 運転手さんの勧めで、琴弾公園から砂で作った巨大な「寛永通宝」の銭形を見て、観音寺駅へ。丸亀駅でおり、駅前の猪熊弦一郎美術館は残念ながら休館中なのでカット。三越の包装紙のデザイン、上野駅壁画は彼の手によるものですね。丸亀城を見物して本日の行程は終わり。今夜は高松で宿泊です。
 そういえば出がけに山ノ神に「おみやげを買ってこないと、月夜の晩は歩けないわよ」と言われたことを思い出しました。まずは腹ごなしと、ホテルのコンシェルジュにデリシャスでチープなウドンショップはないかと尋ねたところ、近くの「川福」という店を紹介してくれました。さっそく行ってざるうどんを注文。これがまた美味。宝石のように輝き歯ごたえのある、極上の讃岐うどん。お土産として宅配をしてもらいました。
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 本日の一枚は、やはり豊稔池ダムですね。
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by sabasaba13 | 2005-03-12 05:40 | 四国 | Comments(0)
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