それでは地図を片手に岩槻の町を彷徨しましょう。郷土資料館の裏手に日光街道と並行する道が、かつて町人の居住地であった新町通り。残念ながら往時の雰囲気はまったく感じられません。ガイドブックによると、岩槻では魔除けのために屋根に鍾馗像をのせる風習(「瓦鍾馗」)があるとのことですが、二軒しか見かけませんでした。単なる私の注意不足か、はたまた廃れてしまったのか。
![]() しばらく歩くと武士の居住地であった裏小路、こちらには遷喬(せんきょう)館があります。岩槻藩に仕えていた儒者・児玉南柯(なんか)(1746-1830)が開いた私塾で、後に藩校となったものです。畳を敷き詰めた教場の凛とした佇まいに、教育にかける彼の思いを感じることができました。なお"遷喬"とは「詩経」の一節、「出自幽谷 遷于喬木」に由来したものだそうです。その意は、「学問を欲し友を求める」ことを「鳥が明るい場所を求めて暗い谷から高い木に飛び遷る」姿にたとえたもの。ええなあ、低きに甘んじず高きをめざす、銘肝しましょう。またしばらく歩くと、サッカーボールを模したマンホールの蓋をゲット。全国十八万人のマンホールの蓋ファンには朗報です。(どこが) ![]() そしてこの道のどんつきにあるのが「時の鐘」、今でも朝夕六時に元気に時を告げているそうです。なお鐘は1720(享保5)年に鋳造、鐘楼は1853(嘉永6)年(ペリーが来た年だ!)に作られたとのこと。「時の鐘」の前を走るのが日光御成街道、ここを左に進むと日光街道と交わります。岩槻駅方向に歩いて行くと、「おばさん!! 猫にえさをやらないでね」という注意看板を見つけました。全国千八百万人の猫ファンを代表して叫びたい、「えさぐらいやってもいいじゃん」と。(そばにいる山ノ神は「猫のうんちとおしっこの匂いが嫌」とぶつくさ言っておりますが) それにつけても「おばさん」という呼びかけが気になります。日々このポイントに出没する特定の「猫のえさやりおばさん」がいるのか、はたまた岩槻のおばさんには猫を可愛がる方が多いのか、どちらなのでしょう。どちらにしても全国百八十人のおばさんファンの一人としてyellを送りたいですね、ぐぅうわんばれおばさん! ![]() 駅前にある人形メーカー東玉のビル四階に「人形の博物館」があるというので寄ってみましたが、あまり充実した展示ではなく、ちょっと期待はずれ。さてそれでは大宮から埼京線に乗って、帰ることにしましょう。 本日の二枚です。 ![]() ![]()
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自己紹介
東京在住。旅行と本と音楽とテニスと古い学校と灯台と近代化遺産と棚田と鯖と猫と火の見櫓と巨木を愛す。俳号は邪想庵。 カテゴリ
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