アイルランド編(53):モハーの断崖(08.8)

 閑話休題。なお、バレン高原の石灰岩の割れ目には多くの珍しい野生植物が生息していることでも貴重だそうですが、残念ながらバスを降りての散策時間はありませんでした。そして昼食のために立寄った町がDoolin、ぞろぞろとパブに入ると、入り口の壁にどこかで見たような写真がかかっています。うーん、えーと、パンッ、U2のCDジャケットにあった写真だ! たしか"THE UNFORGETTABLE FIRE"(邦題は「焔」)というアルバムです。その写真がここにあるということは、このあたりで撮影したのかもしれません。そういえば、U2のジャケットの写真によく登場する荒野・城・木々は、バレン高原の情景を彷彿とさせてくれます。
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 さてみなさんはお食事、われわれはアイリッシュ・ブレックファスト・マジックによって全く腹はへっておりませんので珈琲を飲んで、付近を散歩することにしました。きれいな小川や武骨で頑丈そうな石橋を見て、愛らしいロバをなでていると出発時間となりました。
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 ここからモハーの断崖まで二十分強で到着です。バスから降りようとすると係員がやってきて、ここで見学料を払うシステムになっています。海面から 200m 以上の高さの垂直に切り立った断崖絶壁が、約 8km にもわたり大西洋に突き出ているというアイルランド最大の観光スポット、展望所へと続く緩やかな坂道を上る足取りも速くなります。しかし小雨が降りはじめており、靄や霧で断崖がよく見えないかもしれないなと一抹の不安。展望できる場所に着くと、おお幸いなるかな、多少霞んでいるもののある程度断崖を見晴らすことができました。凄い… 鋭い牙のような巨大な断崖が幾重にも折り重なり、海にくらいついているようです。遊歩道も整備されているので、断崖の上まで歩いてみましょう。"Extreme Danger"というプレートがある低い石垣を乗り越え、"PLEASE DO NOT GO BEYOND THIS POINT"という看板の脇を平然と通り抜けると(「だってみんな無視してるんだもん」「いい若えもんが言い訳していいわけ」)、そこは断崖の縁ぎりぎりのところにつくられた遊歩道、もちろん手すりも柵もありません。おまけに雨によって土はぬかるみ草や岩場は滑ります。十二分に注意してぎりぎりのところまで行き、ここから落ちたら一巻の終わりだなとびびりながら遥か下方で渦巻く海や対面の崖を眺望。
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 そして1853年にコーネリアス・オブライアン議員が建てた展望塔オブライアン・タワーへ行きましたが、どういうわけか入ることができませんでした。この塔の先にも、やや穏やかな表情を見せる断崖が続いています。
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 なおこちらにあった「墜落注意」の標識はなかなかの傑作。アイルランドの標識って、こういうわかりやすくユーモラスなゆるゆる感に満ち満ちています。なお「歩行者へ泥をはねるな」という逸品があったのですが、車窓から一瞬見ただけで撮影できませんでした。ああ悔しい。
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 本日の四枚です。
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by sabasaba13 | 2009-05-28 06:11 | 海外 | Comments(0)
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