紀伊編(10):日の岬へ(08.9)

 朝目覚めてカーテンを開けると、陽光が差し込んできました。どうやら今日は良いお天気のようです。ホテルで朝食をいただき、一休みしてさあ行動開始。JR和歌山駅から紀勢本線に乗って、めざすは御坊(ごぼう)です。おっとその前に、「イコカ」の料金チャージをしておきましょう。今日はかなりお世話になるはずです。列車に乗り込み、海の見える右側の座席をしっかりとキープ。到着まで約一時間、地図を片手に車窓を流れゆく光景をゆっくりと楽しむことにしますか。これも旅の楽しみの一つですね。無人駅がよく目につきますが、もともとそうなのか、あるいは昨今における地方の衰微のせいなのでしょうか。屋根の破風が三連に連なっている民家も発見、このあたりにおける特色なのかな。ん? 箕島駅? そうか、高校野球で有名な箕島高校はここにあるのか。やがて列車は有田川ぞいを駆け抜けていきますが、山々の斜面にはミカン畑が広がっています。海岸線を疾走し海がよく見えるのかと期待したのですが、残念ながら海から少しはなれた内陸部に線路は引かれています。それでも時々、うららかに輝く海と陸地にへばりつく漁村を見ることができました。
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 そうこうしているうちに、御坊に到着。ホームにはまるで絵に描いて額縁に入れて熨斗をつけたようなローカル線の車両が停まっていました。おおこれが噂の西御坊行き紀州鉄道か。さっそく後で乗ってみることにしましょう。駅には貸し自転車もありましたが、御坊はそれほど広い町ではないので今回は借りずに只管歩くことにしました。さて改札を出ようとすると…イコカが使えません。駅員さんに訊ねると、ここで下車したという証明書をくれ、後で和歌山駅で記録を取り消してくれと言われました。やれやれ、乗車賃を支払って駅前に出ると、日の岬行きのバスが今まさに出発しようとしています。これを逃したらしばらくバスはなさそう、あわてて飛び乗りました。
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 御坊の町なかをしばらく走ると、やがて左手に海が見えてきました。途中にある三尾という集落に、「アメリカ村」というバス停がありました。ガイドブックによると、この集落から多くの人々がアメリカに出稼ぎに行き、帰国後アメリカ風の家を建てたことに由来するそうです。バス待合室には小学生が描いた「三尾名物 工野儀兵衛 クヌッセン機関長 うみねこ イセエビ」という壁画がありました。儀兵衛さんはおそらく移民・出稼ぎの嚆矢となった人物でしょう、クヌッセン機関長とは何者??? しばらくするとバスは小高い山を上りはじめ、そして終点の紀伊半島の最西端・日の岬に到着。御坊駅からここまで30分ほどでした。帰りのバスは40分後に出発なので、その間を利用して散策をしましょう。
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 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2009-07-13 06:10 | 近畿 | Comments(0)
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