近江錦秋編(1):近江八幡(08.11)

 林光のピアノ曲を弾いていた山ノ神が突然「あーっ音が多い」と咆哮しました。「二、三個抜いちゃえば」と半畳を入れると「あっそうか」 おいおい。数日後、「シナプスがつながらない…」としょげる山ノ神。ごめんね、あなたのシナプスまで面倒は見切れません。数日後、「やっとしどろもどろに弾けた」と呟く山ノ神。えっ… 耳が・になりましたが、よく咀嚼して考えたところ「どうにかこうにか弾き通せるようになった」という意味のようです。やれやれ。我が家の日常風景でした。
 閑話休題。高齢、じゃない恒例の京都錦秋めぐり、今年もやや空いていて紅葉の盛りが続く十二月初旬に設定しました。一年前から満を持して定宿アランヴェールホテル京都を予約し、♪もういくつ寝ると♪と待ち焦がれていましたが、突然山ノ神に急な仕事ができ当該日に行けなくなってしまいました。その一週間前の十一月下旬の三連休だったら大丈夫だということなので、さっそくJTBに相談をしに行ってきました。予想通り、すでに部屋は満杯、やむをえずアランヴェールホテル京都はキャンセルしてもらい、他のホテルをあたってもらいましたがもう部屋は見つかりません。しょうがない、京都からほど近い滋賀県大津に泊まり、日参することにしますか。いろいろと探してもらったところによると、いくつかの宿が見つかりました。ちょっと料金は高いのですが、琵琶湖ホテルに決定、琵琶湖を一望できるロケーションと温泉大浴場が決め手でした。するとご用達のレンタサイクル「京都見聞録」からのデリバリーがちょっと難しくなります。まさか大津まで持ってきてもらうわけにもいかないし、京都駅前あたりで落ち合うしかないのかな。すると山ノ神曰く「近江の紅葉を見れば」。おお、そうですね、せっかく大津に泊まるのですから今回は近江の紅葉狩りとしゃれこみましょう。あらためて計画をねりなおし、いろいろと調べてみると、紅葉の名所がいくつか浮上してきました。湖東三山(百済寺・金剛輪寺・西明寺)、永源寺、延命公園、三井寺、石山寺、玄宮園(彦根城)、近江孤篷庵、鶏足寺、興聖寺(朽木)、日吉大社、西教寺(坂本)、長寿寺、石の寺教林坊などなど。そして風情や情緒のある小さい町もたくさんあるようです。彦根、近江八幡、長浜、木之本、菅浦、梅津、朽木、堅田、坂本などなど。二泊三日でこれら全部をまわるわけにもいかず、この中からピックアップすることにしましょう。とりあえず初日は湖東三山・永源寺・延命公園で時間があれば近江八幡を逍遥。二日目・三日目は迷いますね、なにせ北陸本線と湖西線の(特に後者の)列車本数が少なく移動に苦労しそうです。これは保留にして現地で再考することにしましょう。そして歴史学徒の末席を汚す者としては、賤ヶ岳古戦場も外せません。これで大まかな旅程は決まりました。移動手段についてはレンタカーを"鯖街道の黒い風"こと山ノ神にころがしてもらうという選択肢もありますが(私は免許証をもっておりません)、最近運転していないので自信がないと固辞。土地勘もないし、紅葉狩りの観光客で混雑しているかもしれないし、タクシーを利用することにしましょう。もちろん、できうる限り公共輸送機関を使うことにはしますが。よしっ、これで巨大な連関がつながった。がしゃん 持参した本は「若者のための政治マニュアル」(山口二郎 講談社現代新書1969)です。

 8:00東京駅発の新幹線のぞみに乗っていざ出発。東京は雲ひとつだにない快晴でしたが、西行するにしたがって雲が空を覆うようになってきました。でも雨の心配はなさそう。10時21分に京都駅に到着、駅の売店でポケット時刻表を購入し、東海道本線に乗り換えて近江八幡まで約20分。ここで「猪木ピンチ」(古いギャグだ…)あわててトイレにかけこみ、用をたして出ようとすると壁面に「差別落書きは犯罪です!」というポスターが貼ってありました。同様の貼紙が構内にもあり、この問題が関西ではいまだ深刻な状況であることがうかがわれます。ここで近江鉄道八日市線というローカル鉄道に乗り換えたかったのですが、寸前に列車が行ってしまいました。次の列車は三十分後、しゃあない、駅前にあるスーパーマーケット「サティ」に入って軽い食事をとることにしましょう。
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 歩道橋には「打ち勝とう! 心にひそむ悪魔から」という哲学的な立て看板がありました。すぐ近くには「不審者に注意! 見たら聞いたら110番!」というプレートが貼ってあり、「ダメ、ゼッタイ 薬物乱用」というビラとティッシュを配っている方もおられます。こうした一連の事象から判断するに、薬物によって悪魔に魂を乗っ取られた人物が「悪い子はいねが」と叫びながら出刃包丁を振り回すというような事態がこのあたりでは頻発しているのかな、などと思ったりしてしまいます。まさかそんなことはないよね。セキュリティへの過剰な不安を煽って、監視体制やシステムを強化しようとしている官僚・政治家諸氏の目論見をふと感じてしまいます。チェーン店の珈琲屋でサンドウィッチをいただき、近江八幡駅へ戻ろうとすると、「くさいキタナイかっこ悪い やめて下さい迷惑タバコ」というステッカーを発見。迷惑な喫煙行為を弁護する気は毛頭さらさらありませんが、ここまで悪し様に言うのはあまりにも不寛容ではないかなと思います。「キタナイ―キレイ」「かっこ悪い―かっこいい」という単純な二分法をふりまわすのも怖いし、何よりももっと多くの害をもたらす物質にもっと注意の目を向けてほしいものです。核(原子力)発電所の放射能、自動車の排気ガス、食品添加物などなど。小悪にこだわり巨悪に気づかない昨今の風潮には危惧を覚えます。
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by sabasaba13 | 2009-09-19 06:07 | 近畿 | Comments(0)
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