近江錦秋編(4):金剛輪寺(08.11)

 駐車場で運転手さんと落ち合い、金剛輪寺へと向かいます。やはり渋滞にまきこまれましたが、先程よりはひどくなく三十分ほどで辿りつくことができました。こちらは天台宗のお寺さんで、聖武天皇の勅願により行基が開創したと伝えられます。9世紀には慈覚大師円仁が登山して中興、天台宗となり学僧が参集したといいます。蒙古襲来・弘安の役(1281)の際に近江守護佐々木頼綱が戦勝を祈願し、役後に現在の本堂大悲閣を建立しました。盛時は大寺院でしたが、百済寺と同様、1571(元亀2)年に織田信長の兵火でほとんどの寺塔を焼失してしまいます。さてタクシーは長い坂道の参道をショートカットし、寺の脇にある車道を上って本堂・三重塔のすぐ隣まで行ってくれました。ここまで来られるのはタクシーとハンディキャップのある方の車だけだそうです。中に入ると、眩く色づいた紅葉が境内を埋めつくしています。何でも「血染めのもみじ」と呼ばれているそうで、その名に違わない鮮烈な色でした。三重塔や本堂を背景に見ると、風情も格段です。三重塔のある小高い場所から境内を見下すと、一面の赤い世界… 放心状態で彷徨しながらここを先途と写真を撮りまくりました。
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 タクシーに戻ると、運転手さんが「下にある名勝庭園もなかなかいいですよ」と薦めてくれたので、参道の登り口あたりで待っていてもらい寄ってみました。桃山・江戸初期・中期の三庭からなる、作者不詳の池泉回遊式庭園ですが、こちらの紅葉の色づきも鮮やかでした。中でも鏡のような池の水面に映る紅葉の幻想的な光景には、言葉を失いました。なお、以前にここを訪れた時に大変面白いテープ解説があったことを記憶していますが、見当たりませんでした。見過ごしたかな。未発表の「散歩の変人 京都・近江・若狭編」から引用します。
 しかし何といっても傑作なのが、テープ解説! 例えば庭に夫婦松があるのですが、柔らかな京都弁で「高さは数十m、職人はんは枝打ちする時にいっぱいひっかけますわ」とか「こうして夫婦でよりそって百数十年、わてらはせいぜい五十年がまんすればええのやから」とか… ううむ、日本三大テープ解説にノミネートしましょう。(あと一つは知覧の武家屋敷、もう一つは現在物色中)
 余談ですが、もう一つはいまだ見つかっておりません。タクシーに戻る途中にあったお休み処には「僧兵うどん・そば」という貼紙あり。どんな味なんだろうどんな具がのっているんだろう、思いっきり後ろ髪を引かれましたが、先を急ぎましょう。
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 本日の七枚です。
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by sabasaba13 | 2009-09-28 06:09 | 近畿 | Comments(0)
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