近江錦秋編(21):帰郷(08.11)

 運転手さんとこのあたりについての四方山話をしていると、ふと私の中の悪魔と天使が「時刻表で行程を確認しておいた方がいいよ」と二重唱をはじめます。このぶんだと午後二時半頃に駅に着くので、三十分ほど周辺にある古い駅舎と学舎を見物して、15:05発の播州赤穂行き新快速に乗って大津で降りてコインロッカーから荷物を取り出して京都に向かえば、16:16京都発のぞみ32号に十分間に合う…はず…だ… しかし無気味な悪寒を感じ時刻表で確認すると、当該の列車は16:02に大津着、荷物を取り出して次に乗る列車は16:12大津発、そして京都駅に着くのは16:21… 間に合わない! 一生の不覚! 若気の至りで一度だけこの時期の上り新幹線自由席に乗ったことがありますが、立錐の地もないほどのオイル・サーディン缶詰状態でした。その時はたまたま名古屋で席が空き救われたのですがそうそう運が良いとはかぎりません。あの状態で二時間半立ちながら混雑を弱耐え忍ぶのはたいへんな困苦です。山ノ神にも一生言われ続けるだろうしなあ。とるものもとりあえず、運転手さんに事情を話し、14:29発姫路行き新快速に間に合わせてほしいと懇願。人生意気に感ず功賞復た誰か論ぜんとばかりに、交通法規を破らない範囲で急ぎましょうと請け負ってくれました。ブオー この間、私の灰色の脳細胞はひさかたぶりにフルスロットルで稼動、間に合わなかった場合の事後策を検討。14:37発の特急しらさぎは? だめ、米原止まり。米原から新幹線では? 大津駅で荷物が回収できない。このタクシーで米原まで行ってもらい14:29発の列車(米原着14:42)に飛び乗るのは? いや間に合いそうもない。万事休す、万策尽きて詰んでしまったようです。いやあきらめたらそこで試合終了、何か手はあるはずだ。そうこうしているうちに車は駅に到着、時刻は14:30、情け容赦なく動き出す列車の姿が車窓から視認でキました。♪This is the end, beautiful friend♪というジム・モリソンの歌声が脳裡をかすめます。申し訳なさそうな表情の運転手さんに丁重にお礼を言い、タクシーを降りた瞬間、閃光がひらめきました。14:37特急しらさぎに乗れば、米原駅で14:29姫路行き新快速に追いつき乗り込めるのではないか。一縷の望みにすがる思いで駅の窓口に行き確認してもらうと…だいじょうぶ、可能でした。♪Hallelujah, Hallelujah♪というジョン・オールディス合唱団の歌声が凍てついた構内に響き渡ります。あとはとんとん拍子、特急で米原まで行き、すでに到着している姫路行き新快速に乗り換えて15:33に大津着、コインロッカーから荷物を取り出して15:43発の快速に乗って15:52に京都駅に到着。お土産と駅弁を買ってもゆうゆう16:16発ののぞみ32号に乗り込むことができました。やれやれ、山ノ神をふくむ関係者各位に多大なるご迷惑をおかけしたことを衷心からお詫び申し上げます。刻み込める余地がかなり少なくなったのですが、肝に銘じましょう、"Ecce jikokuhyo"

 京都駅構内もホームも人であふれかえっており、新幹線自由席はすし詰め状態でした。
c0051620_7335569.jpg

 安堵の思いで指定席に座り、さっそく購入した駅弁(私はうなぎちらし弁当、山ノ神ははも寿司)に舌鼓を打ちましょう。近江にはまた来ることになりそうという「恋の予感」を感じながら…
c0051620_7341617.jpg

by sabasaba13 | 2009-10-24 07:34 | 近畿 | Comments(0)
<< 教会 近江錦秋編(20):孤蓬庵(0... >>