箱根編(3):彫刻の森美術館(09.10)

 そしてひと際目を引く高い塔は「幸せを呼ぶシンフォニー彫刻(ガブリエル・ロアール)、さっそく中に入って最上階へ上ってみることにしましょう。鮮やかな色ガラスで埋め尽くされた壁面から洩れはいる光が、まさしく交響しているようです。屋上は美術館を一望できる360度のパノラマ。
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 その近くにあるのが絵画館、メダルド・ロッソという抽象彫刻に影響を与えた彫刻家の特別展が開かれていました。その他、「空間の中の一つの連続する形」(ウンベルト・ボッチオーニ)、「腕のない細い女」(アルベルト・ジャコメッティ)、「長髪のベートーヴェン(習作)」(ブールデル)、「煌く嫉妬」(戸張孤雁)、「坑夫」(荻原守衛)など、思わず立ち止まりしげしげと眺めたくなる作品が目白押し。中でもブールデルと孤雁の、情念を爆発させたような圧倒的な表現力には驚嘆。また、こうした作品群のなかにジャコメッティの彫刻があると、そのひと際異彩を放つ異様な存在感を実感できます。なお残念ながら撮影は禁止、なぜ野外では可で屋内では不可なのだろう、別に減るものじゃないのにね。そしてピカソ館で「フランコの夢と嘘」と再会し、「おくりもの:未知のポケット2」(堀内紀子)、通称「ネットの森」へ。これもプレイ・スカルプチャーですね、材木を組み上げた大きな空間の中に入ると、色鮮やかなナイロン製ネットが張り巡らされ、その中に入って遊ぶことができます。
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 うーん、私も中にもぐりこんでぼよよんぼよよんと遊んでみたいのですが、小学生までしか入れません。大人だってホモ・ルーデンスの一員、美しくユニークなフォルムや色彩の中で戯れたいという気持ちはあるはずです。予算や強度面できびしい点もあるでしょうが、イサム・ノグチがプレゼントしてくれたモエレ沼公園の遊具ブラック・スライド・マントラのような大人も遊べるプレイ・スカルプチャーもつくってほしいですね。となりには「星の庭」という迷路がありました。おっ、一心不乱に野外彫刻の掃除をされている方を見かけました。なにせ年がら年中風雨にさらされているわけですから、窪みにたまった水分や埃の除去など、そのメンテナンスにおける手間隙はたいへんなものだと思います。
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 「ご苦労様」と頭を下げさらに進むと、オシップ・ザツキンの「住まい」とイサム・ノグチの「雨の山」と遭遇。
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 その先にあるテラスには、ブールデルの作品群が展示してあります。階段を降りていくと、洒落たトイレ男女表示を発見。
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 ヤップ島の石貨(!)を見て、「ふわふわ彫刻広場」を抜けると、こちらにも「オクテトラ」(イサム・ノグチ)などプレイ・スカルプチャーの一群がありました。そして入口のあたりに戻ると、「多田美波展 -光を集める人-」が開催されていたので拝見。周囲の風景を変幻自在に映すステンレス・ガラスによる造形が魅力的でした。というわけで、これにて美術館徘徊は終了。よく晴れたうららかな日に訪れると(春の新緑か秋の紅葉の頃だとベスト)、「生きてるってのもけっこういいもんだな」と思わせてくれる美術館です。
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 本日の三枚、一番下が「オクテトラ」です。
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by sabasaba13 | 2009-10-31 05:51 | 関東 | Comments(0)
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