御岳渓谷・青梅編(3):お山の杉の子記念碑(08.11)

 遊歩道の途中にあったのが「お山の杉の子記念碑」、♪むっかしーむっかしーのそのむっかし♪という曲ですね、この地で作曲されたそうです。ちょっとひっかかるものがあったので、帰宅後、名著「日本の唱歌[中] 大正・昭和編」(金田一春彦・安西愛子編 講談社文庫)を紐解いてみると興味深いことがわかりました。この曲は1944(昭和19)年、少国民文化協会公募制定、軍事保護院献納の少国民歌で、戦災で親を失った子どもたちを励ます趣旨の唱歌だそうです。作詞は吉田テフ子、作曲は佐々木すぐる(「月の砂漠」の作曲者)、選者のサトウ・ハチローが補作して完成しました。終戦後、歌詞に改修を施して歌い継がれましたが、オリジナルの歌詞が凄い…
昔々の その昔 椎の木林の すぐそばに
小さなお山があったとさ あったとさ
丸々坊主の 禿山は いつでもみんなの 笑いもの
「これこれ杉の子 起きなさい」
お日さま にこにこ 声かけた 声かけた

一 二 三 四 五 六 七 八日 九日 十日たち
にょっきり芽が出る 山の上 山の上
小さな杉の子顔出して 「はいはいお陽さま 今日は」
これを眺めた椎の木は
あっははのあっははと 大笑い 大笑い

「こんなチビ助 何になる」 びっくり仰天 杉の子は
思わずお首を ひっこめた ひっこめた
ひっこめながらも 考えた 「何の負けるか今に見ろ」
大きくなって 国のため
お役に立ってみせまする みせまする

ラジオ体操一二三 子供は元気にのびてゆく
昔々の禿山は 禿山は
今では立派な杉山だ 誉れの家の子のように
強く 大きく 逞しく
椎の木見下す大杉だ 大杉だ

大きな杉は何になる 兵隊さんを運ぶ船
傷痍の勇士の寝るお家 寝るお家
本箱 お机 下駄 足駄 おいしいお弁当たべる箸
鉛筆 筆入れ そのほかに
うれしやまだまだ役に立つ 役に立つ

さあさ負けるな杉の子に 勇士の遺児なら なお強い
体を鍛え 頑張って 頑張って
今に立派な兵隊さん 忠義孝行ひとすじに
お日さま 出る国 神の国
この日本を護りましょう 護りましょう
 「国のため」という曖昧模糊とした表現ですが、現実には官僚(もちろん軍人を含みます)と財界の利益のために国民を犠牲にしたというのが当時の日本の姿だったと思います。官僚・財界立国という建築物を構成する建材としての国民… 御岳の山に生える木々を眺めながら、今でも本質的には何も変わっていないのだなあと考えてしまいました。失業により死を強いられた方の子供たちに対して、現在の官僚諸氏は同じような歌を歌わせるでしょう。「さあさ負けるな杉の子に 勇士の遺児ならなお強い/体を鍛え 頑張って頑張って/今に立派な労働者 忠義孝行ひとすじに/お日さま 出る国 神の国/この日本を護りましょう 護りましょう」

 本日の三枚です。
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by sabasaba13 | 2009-11-19 06:12 | 東京 | Comments(0)
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