御岳渓谷・青梅編(6):青梅(08.11)

 仲通りから線路へと続く路地に迷い込むと、古い手押しポンプと石造りの蔵、ドーリス式オーダーの石柱もどきがファサードの両側に二本屹立する不思議な家を発見。
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 そして仲通りのつきあたりを右手に曲がる角にはアール・デコ調の窓が愛らしい洋館、スミレ写真館がありました。そのすぐ先にはべランドの意匠がモダンな奥多摩写真館。経験則で言うと、写真館建築には優品が多いですね。庶民にとって最も身近な欧米文化であった写真をPRするために、デザインにも粋をきかせたのでしょうか。余談ですが、写真館のショーウィンドウに飾られている記念写真を見るのも楽しみの一つです。何を記念するかについて、その地方独自の文化・慣習がうかがわれることが時々あります。沖縄では長寿を祝うためのお年寄りの記念写真をよく見かけました。
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 写真館の前にあるのが「猫かいぐり公園」、猫の絵が描かれた板塀と土管、わけのわからないオブジェ風物体が置かれている小さな公園です。さきほどのゴミ箱といい、猫に対しての尋常ならざるこだわりをもつ方がいる気配は感じますが、猫の「ね」の字も見当たりません。そして"かいぐり"とは? スーパーニッポニカ(小学館)から引用します。
かい‐ぐり【掻繰】
(「かい」は「かき」の変化)
1 両手を交互に動かして繰り寄せること。
2 「かいぐりかいぐりととのめ(とっとのめ)」と唱えながら、両手を胸の前でくるくる回し、「ととのめ」で右手の人差し指の先で左の手のひらをつく幼児の遊戯。
 うーむ、わからない。そして赤塚不二夫シネマチックロードと名付けられた大通りに出て、赤塚不二夫会館の前に来るとその謎を解決する糸口がありました。「ねこの日だまり 猫かいぐり公園」と描かれている大きな猫の絵、そのキャプションとして次の一文。"名作には名シーンがつきものだ。この「第三の男」は大観覧車の場面や並木道を去るアリダ・バリのラストシーンも有名だが、「第三の男」が初めて登場するシーンで「猫」が男の磨かれた靴元にからむとカメラがパン・アップする。すると含み笑いをした第三の男・ハリーの不敵な面構え… 忘れることの出来ない名シーンである" はいはいはいはい、ありましたありました、ロバート・クラスカーのカメラ・ワークが眼に浮かんできます。ということは、その時の猫の前足の動きを「かいぐり」と見立てたということでしょうか、何とディープな命名…
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 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2009-11-22 18:53 | 東京 | Comments(0)
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