土佐・阿波編(1):高知龍馬空港(09.3)

 三月の三連休にあわせて休暇がとれたので、四国彷徨に出かけてきました。四国はこれまで三回訪れています。一度目は仲間との旅行で、徳島→脇町→高松→琴平→大歩危・小歩危→高知→中村・四万十川というルート。二度目は一人旅で、宇和島宇和町内子松山別子銅山豊稔池ダム丸亀→高松→イサム・ノグチ美術館志度小豆島鳴門というルート。三度目は、しまなみ海道を自転車で縦断したときには、終点の今治にタッチ&ゴーをいたしました。いずれの時も、流行やはやり・すたり、世の移ろいから超然として孤塁を守る、とまでは言いませんがそれなりの矜持をもって体と心に馴染んだ暮らし方を大事にしているという印象を受けました。名所・史跡・街歩きに加えて、そうした雰囲気に触れるのも楽しみです。
 さて旅程ですが、今回は足摺岬と室戸岬を中心に、土佐から阿波へと四国南部を海岸沿いにうろついてみることにしました。お遍路用語で言えば「逆打ち」ですね、まあいいでしょう。なお同行二人ではなく、山ノ神も弘法大師もともなわぬ一人旅。脇町と安芸を再訪するとともに、味わい深い町並みといわれる伊野・赤岡・吉良川・引田・貞光をからめてみました。そして高知空港近辺の掩体壕群、幸徳秋水の墓参り、四万十川の沈下橋、鳴門市ドイツ館、そして佐古配水場をトッピングする、あいもかわらないパッツンパッツンの強行軍、はたして可能でしょうか。インターネットで調べたところ、移動手段はJRと第三セクターのローカル線とバス、列車は一時間に一本程度発着しているので何とかなりそうです。問題はバス。中村と足摺岬、安芸と吉良川・室戸岬・甲浦(かんのうら)を結ぶバスの本数が少ないので要注意です。なお持参した本は、「現代社会の理論 -情報化・消費化社会の現在と未来」(見田宗介 岩波新書465)と「「炭素会計」入門」(橋爪大三郎 洋泉社新書y193)です。

 出発当日、東京は晴れですが、天気予報では高知は雨模様。長期予報によると、旅行中はおおむね晴れか曇り、一日ほど雨が降りそうです。初日は午後三時発の飛行機で高知に飛び、中村で宿泊の予定。午後四時半ごろに高知龍馬空港に無事到着、予報どおりしとしとと小雨がふりそそいでいました。空港内に「高知龍馬空港は日本初の人名空港です」という掲示がありました。世界の人名空港も載っていたので後学のために紹介しましょう。ジョン・F・ケネディ国際空港、ジョンウェイン空港(アメリカ)、ジョンレノン空港(イギリス)、シャルル・ド・ゴール空港(フランス)、レオナルド・ダ・ビンチ空港(イタリア)だそうです。ちょっと待ったあ、舌が血まみれになるエレフテリオス・ヴェニゼロス空港(ギリシア)を忘れちゃいけねえ。
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 空港の一角に着替えやお茶のもてなしのための「お遍路さんコーナー」があるのを見て、四国に来たのだなあと実感。そしてレストランのショー・ウィンドウを見ると、「さば姿寿司」「焼さば寿司」「さば棒寿司」「さば高菜巻寿司」とさばさばさばさばのオンパレード! JTB発行の旅行情報誌「るるぶ(食べる・太る・デブ?)」で高知はカツオのたたきにくわえてサバも名物だという情報を入手していましたが、今、その厳粛なる事実を目の当たりにし、♪鯖のためなら女房も泣かすそれがどうした文句があるか♪的な人間の私は凝固して立ち竦んでしまいました。「食ってやる」、通天閣を見上げる坂田三吉のように闘志を燃やしながら右手を握り締める健気な、わ、た、し。
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by sabasaba13 | 2009-12-21 06:07 | 四国 | Comments(0)
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