土佐・阿波編(32):貞光(09.3)

 その近くにあったのが使い捨てライターの自動販売機。レアな物件ですね、はじめてお目にかかりました。駅から数分あるいて右折すると、二層うだつが並び立つ通りに出ます。うわああああ、凄い… 脇町ほど町並みに統一感はありませんが、ところどころで小さな瓦屋根をぽんぽんと二つ乗せたうだつのある古い商家が妍を競いあっています。
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 中には、鯉・虎・鷹・亀などを描いた見事な鏝絵も散見されました。
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 右往左往しながらばしゃばしゃと撮影、あー電信柱と電線がじゃまだ。景観のためにも、安全性という面からも、ぜひ電線を地中に埋めてほしいものです。行政の善処を心より期待します。というわけでなかなかお目にかかれない逸品ぞろいですが、町の方々はこれを目玉に観光客をおびきよせようという考えはないようです。
 うだつをトタンで補修したり、看板で隠したり、うだつにめりこむようにファサードを改築したりと、思い思いのことをされているお宅もありました。
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 もったいないなあ、と思う反面、この恬淡さも町の自然な姿なのかなと納得したりもします。古いものを適当に大事にしながら、観光なんて水物には手を出さず、今の暮らしをよりよくしみんなで助け合ってこの町でずっと暮らしていこう、そんな雰囲気を感じます。商店もほどほどに繁昌しているようで、シャッターを締め切った仕舞た屋もそれほど見かけませんでした。「古ばた」という看板をかかげた煙草屋さんも現役で営業されています。後の祭りですが、ここで煙草を買えばよかった。もしかしたら、重要無形文化財「煙草屋の看板娘」に会えたかもしれないのに。
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 その他、銭湯、トマソン物件「家の遺影」、ビニールテープで戸に矢印を描いたお宅、キンチョールのホーロー看板をゲット。短時間の来訪でしたが、そこはかとなく心に残る町でした。アディオス、貞光! でも…もったいないなあ。
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 本日の三枚です。
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by sabasaba13 | 2010-02-05 06:57 | 四国 | Comments(0)
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