松本・上高地編(11):須坂(09.5)

 外に出ると、幸い雨はやんでおり、にび色の分厚い雲が広い空をおおっています。ま、ずぶ濡れにならないだけでも御の字です。ガイドブックを片手に徘徊を開始、まずは駅から歩いて数分のところにある横山通りへ行きました。ここはかつての谷街道だったとのことです。ちなみに谷街道は起点が更埴市(稲荷山)、矢代を横切り、千曲川右岸を北上し、中野を経由して飯山に至り十日町街道と合流して越後十日町に達する通商の道でありました。まずは明治期に財をなして建てた牧新七家の住居兼店舗を利用したクラシック美術館がありました。立派な門と威風堂々とした土壁の蔵が印象的ですが、眼にとまったのが蔵の土台として積まれている石です。解説によるとこれは「ぼたもち石」と言うそうで、ひと抱えもありそうなぼたもち状の大きな石の形をそのまま生かしながら、接着面が隙間なくなるように加工して積む、たいへん高度な技法だそうです。そのユーモラスは佇まいには思わず頬が緩んでしまいます。内部の見学は後回しにして、先へと進みましょう。
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 ところどころに漆喰塗りの古い建物が残り、また味のある商家も散見される商店街です。赤い円筒ポストも「どっこい生きてるぜ」と現役で活躍中。日曜日の早朝なのでほとんどの店がシャッターを閉めていましたが、町の人に支えられて活気がありそうな雰囲気を感じます。
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 笠鉾会館、観世音菩薩・子育て地蔵尊の前を通り過ぎると、中町交差点に到着。ここを右折するとかつての大笹街道であった本町通りです。
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 大笹街道は、北国西街道福島宿を起点とし、仁礼(須坂市)を経て、国堺の鳥居峠を越え、群馬県嬬恋村大笹へ至る道とのことです。うだつのある三階建ての白壁の商家で、手描きの看板がぬくもりを感じさせてくれるのが「山下薬局」です。須坂市観光協会HPによると、1777(安永6)年建築で、三階部分は町の防災ニ備えてつくられた望楼だそうです。そのすこし先を左に曲がると浮世小路という狭い路地、かつては料亭や置屋が建ち並び殷賑を極めたそうです。こちらにあったのが、普通の大きな民家にしか見えない「君が湯」、"君が代"の洒落なのかな。つきあたりを右に折れると、1917(大正6)年に建築された旧上高井郡役所があります。シックな薄緑色で塗られた下見板の外壁、切妻屋根のペディメントとベランダ、リズミカルに並ぶ縦長の窓、なかなかチャーミングな物件でした。
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 本日の三枚です。
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by sabasaba13 | 2010-03-04 06:13 | 中部 | Comments(0)
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