松本・上高地編(13):須坂(09.5)

 横山通りに戻って、しばしぶらぶらと散策。「あらなあに」というけったいな店、須坂教会を通り過ぎて駅方面へと向かいましょう。
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 そしてさきほど外観だけみたクラシック美術館に入りました。須坂藩御用達の呉服商の家に生まれ、明治期に須坂銀行や山一製糸を興した牧新七の邸宅で、日本画家・岡信孝から寄贈された着物や琉球漆器、大正ガラス、李朝民画などの古民芸コレクションを展示しています。素人目にもわかる良質の木材をふんだんに使ったつくりや、洒落た意匠の釘隠しなど、建て主の財力と趣味の良さを感じますが、いちばんの見どころは奥座敷の書院。思わず息を呑んでしまいました。庭に面した大きな硝子戸には縦横に細い桟が配置されたモダンなデザインで、時代を物語る表面の波うちが庭の木々を微妙にゆがませています。そして付書院の欄間と障子にはめこまれた格子の、繊細にして精緻な細工。よく磨かれて黒光りする付書院にほのかに映る緑と硝子窓の桟の怪しい美しさ。座敷に腰をおろし時を忘れてしばし見とれてしまいました。いやあ眼福眼福目果報目果報。
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 美術館のはす向かいには「古郷に似たる山をかぞへて月見哉」という一茶の句碑がありました。そういえば、彼の故郷は信濃北部の北国街道柏原宿、このあたりに立ち寄ることも多かったのでしょう。彼の望郷の念がひしひしと伝わってきます。ただここで詠んだ句なのかどうかは不明。そして須坂駅へ、そばにあるスーパーマーケットでトイレを拝借するため中に入ろうとすると、「万引き撲滅運動 須坂から全国へ」という立て看板がありました。提唱者は須坂万引防止対策協議会、ここ須坂ではよほど万引きが多いのでしょうか。
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 そしてホームに入り11:32発の長野行き普通列車に乗り込もうとすると…列車の側面にでかでかと地元理髪店のコマーシャルが記されていました。うむむむ、何が恐ろしいのかわかりませんが、恐るべし長野。途中の本郷駅でふとホームの名所案内を見ると「ブランド薬師」と書いてありました。ぶらんどやくしい? 右手にグッチのバッグをもちフェラガモの靴をはきシャネル・スーツに身をつつんだ薬師如来? あるいはお祈りするとブランド物が手に入る霊験あらたかな薬師さま? いやいや薬師というぐらいですから病気と関係あるのでしょう、ブランド依存症を治癒してくれる薬師さまかな。気になるので、今インターネットで調べてみたところ、信仰の山・薬山の断崖絶壁に建てられたお堂が、歩くとゆれてブランブランすることから「ぶらん堂」と名づけられ、これがいつの間にか「ブランド薬師」と呼ばれるようになったそうです。ま、インターネット情報ですので真偽のほどはわかりませんが、いちおう紹介しておきます。
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 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2010-03-06 07:30 | 中部 | Comments(0)
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