松本・上高地編(20):大正池~田代橋(09.5)

 そして1915(大正4)年の焼岳の大噴火によって生じた火災泥流が梓川をせきとめてできたのが大正池。昨日のタクシーの運転手さんは、土砂でかなり埋まっているから見る価値はないとおっしゃっていましたが、どうしてどうして。思ったよりも広々とした湖面に山影や新緑が映り、ところどころに立ち枯れた木々が屹立する見事な景観です。はるか向こうを見やると、残雪をいただく穂高連峰が雲の合間から見え隠れしています。
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 そしてここから自然研究路という整備された遊歩道が続きます。
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 新緑を眼で、清涼な高原の空気を肌で楽しみ、しばらく歩くと田代池に到着。霞沢岳の砂礫層を通って湧き出してくる伏流水によってできた池ですが、残念ながら1975(昭和50)年の大雨で大量の土砂が流れ込み、その半分が埋まってしまったそうです。なおこのあたりが田代湿原で、ところどころに湧水がたまり、鏡のような水面が木々の美しい緑を映していました。
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 すこし歩くと自然研究路は梓川コースと林間コースに分岐します。私は前者を選択、やがて遊歩道は梓川ぞいの道となります。ふりかえると山頂にかかっていた雲もとれ、焼岳の全貌が見えてきました。そして玲瓏とした水を湛えて滔々と流れ行く梓川、やがて奈良井川と合流し、千曲川・信濃川となって日本海に注ぐのですね。流路延長約350km、旅はまだまだ始まったばかりです。
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 そして梓川にかかる田代橋・穂高橋に到着。大正池からここまでのんびりと歩いて約一時間です。この橋からの眺望が絶景です。大きく右に蛇行する梓川、美しいグラデーションで彩られた新緑、そして残雪をいただく高峻な穂高連峰を一望できます。ここから川の北岸、南岸いずれも歩いていけますが、ウェストン・レリーフのある前者を選びました。
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 川ぞいの遊歩道をすこし歩くと解説板があり、穂高の名声に隠れがちな名山、六百山と霞沢岳も見てくんなまし、というアピールがありました。なるほど、対岸に目をやると、光る川面に河原、そして新緑に彩られた木々とそのうえに聳え立つ双子のような六百山と霞沢岳が、一幅の絵のように眺望できました。
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 さらに歩くと公衆トイレがあり、見落としそうになったのですがその手前にあるのが、ウェストン・レリーフです。イギリス人であるウォルター・ウェストンは、1891(明治24)年から1894(明治27)年の間に、槍ヶ岳や穂高岳に登山し、「日本アルプスの登山と探検」という著書で日本アルプスを世界に紹介した人物です。日本近代登山開拓の父と称される彼を記念して、1937(昭和12)年に日本山岳会によってつくられた碑ですが、戦時中は敵国人ということで外されたこともあったそうです。
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 本日の七枚です。
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by sabasaba13 | 2010-03-18 06:13 | 中部 | Comments(0)
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