松本・上高地編(23):新島々駅(09.5)

 まだ午後一時過ぎなので、座席は六分ほどしか埋まっていません。バスは新緑の大合唱の中を、いくつものダムを通り過ぎながら快走していきます。途中で梯子型のシンプルな半鐘付き火の見櫓を発見。「河岸段丘の味な町 波田(はた)」という看板がありましたが、「河川の流路に沿う階段状の地形で、氾濫原よりも高い位置にあるものをさす」河岸段丘と味がどういう関係にあるのだろふ??? 車窓を流れる風景を見ながらうつらうつらしているとあっという間に新島々に到着です。
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 松本行き列車が発車するまでまだ時間があるので付近をぶらぶらしてみました。道路をはさんだところに、旧島々駅舎が保存されて、物産販売所として活用されています。スイスの山小屋風のちょっと洒落た駅舎です。そして「島々の生んだ自然と童心の版画家 加藤大道 常設展」という掲示のあるカフェ「プレイエル」を発見。ぷれいえる? うーむ記憶のどこかに引っかかっていますがどうにも思い出せない… ま、時間もあるし、瀟洒な雰囲気だし、珈琲をいただくことにしましょう。中に入ると、上品な初老の女性店主が、地元の方らしき男性と和やかに談笑されています。珈琲を注文し、できるまで隣に併設されたギャラリーで加藤大道氏のほのぼのとした版画を鑑賞。はじめて知った版画家ですが、なかなかいい味ですね。そして趣味の良いカップで香り高い珈琲を堪能。列車を待ちながら、雰囲気の良い喫茶店で美味しい珈琲を飲む、私にとって、村上春樹氏言うところの小確幸(小さいけれども確固たる幸せ)です。それにしてもプレイエルって何だっけ… 列車に乗り込んだところでハタと思い出しました。ショパンが愛用していたピアノメーカーの名前だ! 今にして思えば、店主に尋ねた上で、その由来を聞けばよかったものを。後の祭り、後悔先に立たず、でした。
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 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2010-03-26 06:08 | 中部 | Comments(0)
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