松本・上高地編(24):開智学校(09.5)

 松本駅に着いたのは午後三時ちょっと過ぎ、今日は晴れているので駅前通りの正面にくっきりとした山なみを拝むことが出来ます。午後五時の特急で帰郷する予定ですので、それほどのんびりと構えているわけにもいきません。泣いて馬謖を斬る、ここはタクシーに乗って一気に旧開智学校まで行くことにしました。そして駅から十分ほどで到着、いやはや、ど派手、キッチュ、奇妙奇天烈、ユーモラス、悪趣味、どんな表現を使っても笑い飛ばされてしまうようなおおらかな建物です。いわゆる擬洋風建築で、木造二階建て・寄棟造り・桟瓦葺きの和風建築に、中央部の八角塔屋やバルコニーなど洋風テイストを加味したものです。圧巻は中央部分、洋風八角塔の下には唐破風、その下には「校学智開」という看板を支える二人の天使、バルコニーの手すりには雲がもくもくとわきたち、その下の欄間では龍がのたうっています。ここまで無茶苦茶でくどくて濃いと、もう大工棟梁の立石清重にスタンディング・オベーションをするしかありません。ブラーボ! なお「建築探偵 雨天決行」(藤森照信 朝日新聞社)の指摘によると、天使と看板の意匠は、棟梁の立石清重がデザインの手がかりを得るべく東京・横浜の洋館見学にやってきて、その時手に入れた「東京日々新聞」の題字のデザインを流用したものだそうです。「東京日々新聞」は三面記事的なできごとを絵入りで伝える、今で言う写真週刊誌で、東京見物のかっこうな土産でした。なおよく見ると天使に本来ないはずの一物がついていますが、これは戦後の修理の時、文化庁の人が「それではまずい」と気を利かせてくっつけたそうです。何がまずいのか、よくわかりませんが。
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 本日の二枚です。
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by sabasaba13 | 2010-03-27 07:13 | 中部 | Comments(0)
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