松本・上高地編(26):松本城(09.5)

 こちらのすぐ隣にあるのが旧司祭館。長野県最古の西洋建築で、1889(明治22)年に松本カトリック教会司祭の住宅として建てられました。下見板張りの瀟洒なアーリー・アメリカン様式で、内部を無料で見学できます。廊下ぞいに配置された大きなガラス窓が印象的でした。
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 すぐ近くには現在の開智小学校がありましたが、古い校舎の意匠を取り入れたものでした。今でも自由経済(弱肉強食)社会への適応訓練がここで行われているのでしょうね。遠くに見える旧開智学校が「覆轍を踏まないでくれよ」と苦笑いをしているような気がしました。そして数分ほど歩くと、まるでお堀に浮かぶ黒い孤島のように屹立する松本城に到着です。天守閣が黒の下見板張りとなっていることから、烏(う)城とも呼ばれます。石川数正・康長親子によって、1597(慶長2)年ごろに五層六階の天守閣が完成したそうで、現存の天守閣のなかでは、犬山城天守閣、丸岡城天守閣に次いで三番目に古いものです。黒い下見板が壁面のほぼ七割を占めているところが、その古さを物語っています。後になると延焼を防ぐために、姫路城のように白漆喰壁が多用されるようです。一見、黒い城の方が白い城より堅固なようですが、実は逆なのですね。最上階に上ると、松本の町と北アルプスを一望の下に見渡せます。
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 されそれでは時間の余裕もあるので、歩いて駅に向かうとしましょう。車道の端が「自転車専用」と大書された幅広いレーンとなっているのには、識見を感じます。エコ・カーなぞという寝惚けたことをぬかしている暇があったら、自転車専用道路の整備と路面電車の導入、市街地への車乗入れ制限といった措置を行政がとるべきだと強く主張します。駅へと続く道路は今町通りといい、江戸時代には大手門を起点とする糸魚川街道の出入り口として栄えた商業の町だそうです。その名残でしょうか、スパニッシュ風装飾をもつ古いビルディングを見かけました。
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 歩道には松本城築城四百年を記念して、いくつもの道祖神が置かれています。その中の一つは、恵比寿さん(?)が貯めこんだ小銭を狙って、にこやかに小槌を振り下ろして彼を撲殺せんとする大黒さんにしか見えません。まさかね。駅近くには、「マジックショップ 風流庵」「走り抜けるだけが人生かい ほっと一息 コロちゃん家」「銀河系マホー使い協会」「しなの南京玉簾協会」という看板を掲げる摩訶不思議なお店がありました。こういう怪しい/いかがわしい物件って、町の魅力を増す重要なアイテムだと愚考します。
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 そして松本駅に到着、牛肉弁当を買い込んで特急列車に乗り込み、帰京の途につきましょう。甲府のあたりでは、綿帽子をかぶる富士山の山頂を車窓から見ることができました。
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 本日の二枚です。
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by sabasaba13 | 2010-03-29 07:45 | 中部 | Comments(0)
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