言葉の花綵28

 そこで何が書かれたか、あらゆることが書かれて肝腎なことが脱落した。角が削られて全体が丸くなつた。ごきごきの歴史が何だか別のすべすべしたものになつた。すべつこい、つるりとした歴史… (中野重治)

僕の信条として
何でもない事は、流行に従う
大事な事は、道徳に従う
芸術の事は、自分に従う (小津安二郎)

 今世紀の大戦の異常さは、人々が類例のない規模で殺し合ったということよりも、途方もない数の人々がみずからの命を投げ出そうとしたということにある。(ベネディクト・アンダーソン)

 戦争は人間の日常性を破壊する。日常性とはつまらないもののように見えて、じつは、人間の世界を立ち上げているものなのだ。これを剥ぎとられたとき、人間性は喪失し、世界は崩壊する。二十世紀の暴力がしでかしたのはそのことだった。それはアウシュビッツ広島において頂点に達した。(多木浩二)

Dear Teacher,

I am a surviver of a concentration camp.
My eyes saw what no man should witness.
Gas Chambers built by learned engineers.
Children poisoned by educated physicians.
Infants killed by trained nurses.
Women and babies shot burned by high
school and college graduates.
So I am suspicious of education.
My request is:
Help your students become human.
Your efforts must never produce learned monsters,
skilled psychopaths,educated Eichmans.
Reading,writing,arithmetic are important
only if they serve to make our children more human.

親愛なる先生方へ

私は強制収容所の生存者です。
私の目は、人間が目撃してはいけないものを見てしまいました。
学問のある技師たちが作ったガス室。教育のある医者たちに毒殺された子供たち。
訓練を受けた看護婦に殺された幼児たち。
高校や大学出の人たちに撃たれ焼かれた女の人や赤ん坊たち。
だから私は教育に疑いを持っています。
先生方にお願いがあります。
生徒たちが人間的になれるよう援助してあげてください。
みなさんの努力によって、
学問のある怪物や熟練した精神異常者や教育のあるアイヒマンが
生み出されるようなことは、絶対あってはいけません。
読み、書き、算盤は、
それらが子供たちをより人間的にするときにのみ、大切なものになるのですから。(unknown)

 足並みの合わぬ人をとがめるな。彼はあなたの聞いているのとは別の、もっと見事なリズムの太鼓に足並みを合わせているのかもしれないのだ。(ソロー)

 私の理性は曲げられたり折られたりするようには仕込まれてはおらぬ。そうされるのは、私の膝である。(モンテーニュ)

 スポーツとは、体を動かすという意味でも、また民主主義という考え方からいっても、他人に代わってやってもらうべきではない。(カダフィ大佐)
by sabasaba13 | 2010-05-02 06:42 | 言葉の花綵 | Comments(0)
<< 警察署 下館・益子編(13):下館(0... >>