会津・喜多方編(25):七日町(09.8)

 そして午後六時少し前に七日町駅に到着、残光もまだあるので撮影はできそうです。瀟洒な七日町、格子窓が見事な渋川問屋、なお夕食はこちらで会津塩川牛のステーキをいただく予定です。もうとにかくこの七日町通りは、古い和風の商家、蔵、洋館、戦前のビルディングなど、見飽きない面白く怪しい物件が目白押し! 古い洋館となまこ壁の蔵が平然と寄り添うなど、まるで建築史のサラダ・ボウルです。
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 いくつか紹介しましょう。池田種苗店の二階ファサードには愛らしいカブの浮き彫りが二つ。なお今、写真を見ていて気づいたのですが、二階手すりにはカブの透かし彫りがぽんぽんぽんぽんと並んでいました。なぜあの時気づかなかったのだろう、己の眼力のいたらなさに涙が出てきます。バンダイスポーツでは下品一歩手前の過剰な装飾が見もの。「だいにつかはら」は、上部の「所業営二第店貨百服呉」というたどたどしい字と「Department Store」という流暢な筆記体の浮き彫りに緩頬しました。なおこちらのビルは側面にある「社会式株」(横書き)、「第二チェンストアー塚原呉服店」(縦書き)の浮き彫りを見るのも忘れずに。
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 白木屋漆器店は、「おうおうどこが漆器店だ、責任者を出せ責任者を」とからみたくなるような立派なビルディングです。イオニア式列柱、素晴らしい意匠の入口部分、縦長の連続窓など、見事な欧風建築。滝谷建設工業は「おうおうどこが建設工業だ(以下略)」とからみたくなるようなビル、なんと堂々としたイオニア式列柱が六本並んでいます。ま、以前は銀行だったのでしょう。そして野口英世青春通りへと右折すると、こぢんまりとしたキュートな旧郡山商業銀行若松支店が出迎えてくれます。
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 そして黒塗りの重厚な蔵造り、会津壱番館と福西本店が続きます。古美術遠藤は正統的な白塗りの蔵造り。
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 そして昨晩撮影した可憐な旧黒河内胃腸病医院がありました。つきあたりを右折して路地に入ると、野口英世が洗礼を受けたという栄町教会があります。さて、それでは夕食をとるため渋川問屋へ戻りますか。桂林寺通りを北上していると、フェイス・ハンティングの傑作を発見! その名も浜崎小児科医院です。激痛のためか大きく口を開いて叫び、眼はかっと見開いて虚空を見つめ、そして恐怖のためかそのまわりに青黒い隈までできています。うーん、これは凄い。子どもたちはこの顔を見た瞬間にひきつって、泣き叫んでしまうのではないのかな、といらぬ心配をしてしまいます。「そげん弱虫はあいづっこではなかと!」という会津魂を炸裂させているのかもしれません。
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 本日の九枚、上から七日町駅、渋川問屋、池田種苗店、バンダイスポーツ、第二塚原、白木屋漆器店、滝谷建設工業、福西本店、旧黒河内胃腸病医院です。
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by sabasaba13 | 2010-06-09 06:32 | 東北 | Comments(0)
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