養老渓谷編(2):(09.11)

 そして8:57分に終点の上総牛久に到着。こちらの駅舎も木造平屋で、Y字型の柱が庇を支える愛くるしい物件でした。駅前にはタクシー会社があり、運転手さんが暇そうに日向ぼっこをしていました。
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 次の上総中野行き列車は9:49発なので、一時間弱、付近を散策しました。が、お粗末な眼力のせいかもしれませんが、あまり見るべきものはなし。地元資本の喫茶店でもあれば入ったのですが、それもなし。本意ではありませんが、近くにあった有名ファミリーレストランに入ってモーニングサービスをいただくことにしました。目玉焼きに、誰が何と言おうと醤油をかけ、トーストを頬張りながら持参した本を読みましたが、これが意外と面白い。いつか書評を書くつもりですが、ついつい引き込まれてあっという間に時間が過ぎ去っていきます。おっそろそろ駅に戻りましょう。到着の五分前にホームに着くと、どこから湧いてきたのか、けっこうな数の観光客が集まっています。そして到着した列車も、立錐の余地がすこしあるぐらいのけっこうな混雑です。それでもなんとか乗り込め、さあ出発。
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 途中にあった高滝という駅では、黄色い落葉の絨毯のもとイチョウが眩いばかりに色づいていました。三脚を用意したカメラマンが数人撮影していたので名木なのかもしれません。上総大久保の駅舎には小学生によるトトロの絵が描かれていました。
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 そして10:24に養老渓谷駅に到着。やれやれとばかりに、列車は数多のお客を吐き出します。この駅舎も三角屋根を組み合わせた、愛らしい木造のものです。駅前には臨時の観光案内所が設置されていたので、さっそく観光地図を所望。まずはバスで滝めぐり遊歩道へと向かいましょう。紅葉の時期には臨時バスが何本も出ているのでそれほど気を使うことはなさそうですが、すぐに満員となりました。そしてバスは出発、途中に「面白」という停留所・集落がありましたが、これは「世界でもっとも阿呆な旅」(幻冬舎)には載っていないようですね、安居良基さんに教えてあげようかな。
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 十数分で原ノ台という停留所に到着、ここで降りて滝めぐり遊歩道へと向かいます。道案内の表示がちゃんとありますので迷う心配はありません、ま、それ以前に人の流れに乗ってしまえば自然と着いてしまいます。まばらに建つ民家の間の小道を数分ほど歩くと、長い石段がありこれを下りると養老川のほとりに出ました。ここから飛び石を渡って対岸に行くと、養老川沿いにきちんと整備された遊歩道が続いていました。木々をまとった斜面が両側に連なり、V字型の谷の底を穏やかな清流が楚々と流れている、なかなか素晴らしい眺めです。満艦飾の紅葉!緋色の世界!というわけにはいきませんでしたが、緑の木々と赤・オレンジ・黄に色づいた紅葉をおりまぜた景色はきれいなものでした。
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 見返の滝・万代の滝・千代の滝と、ときどき可憐な姿をあらわす小さな滝も風情を添えています。
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 せせらぎの音に耳をそばだて、紅葉を眺め、清冽な空気を吸い、鳥の声・風の音に耳をかたむけ、のんびりと歩けば、もうこの世は天国さっ! ただ人出の多さには辟易しますが、自分にも責任の一端があるのでこれは仕方ありません。川に落ちるほどの雑踏ではないのが救いです。風景を愛で写真を撮りながら約4kmの遊歩道を一時間ほど歩くと、終点が粟又(あわまた)の滝です。45度ほどに傾いた幅広い岩盤の上を流れ落ちる滝ですが、両側の紅葉とあいまって絵になる光景でした。ここで一休みし、橋を渡って階段をすこしのぼるとそこがバス停でした。なおこの遊歩道にはトイレがないので要注意ですね、バス停の前にあった土産屋さんにあわてて駆け込み用を済ませました。養老渓谷駅行きのバスに乗り込むと、対向車線は次から次へと湧いてくる車で大渋滞です。原ノ台の駐車場も満杯でした。これも要注意、できれば環境のためにも公共輸送機関を利用していただきたいものです。世の中に絶えて車のなかりせば私の心はのどけからまし、というところです。あっ、ついでに携帯電話とゲームもですね。
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 本日の六枚、一番下が粟又の滝です。
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by sabasaba13 | 2010-11-15 16:10 | 関東 | Comments(0)
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