中山道編(1):前口上(10.1)

 ♪つんつくつくつくつん つんつくつくつくつ ひゃらー♪

 迎春

 ふつつかで粗忽なブログですが、今年もよろしくお願いします。



 昨年のお正月のことですが、山ノ神は友人たちと一泊二日で箱根駅伝の見物にくりだしました。それじゃあ私もどこかに行ってこよっと。そっちが東海道なら、こっちは中山道でいっと、以前から狙っていた「中山道を歩け歩けプチ・ツァー」を敢行することにしました。何でも「エコ旅ニッポン② 中山道を歩く旅」(山と渓谷社)によると、長久保・塩名田間が、昔の風情が多少なりとも残っている区間だそうです。初日はこのコースを五時間ほどかけて歩き、上田で宿泊。二日目は…どうしましょう。上田の見物はいいとして、それともう一ヵ所どこをかためるか。小布施か松代か善光寺、あるいは長駆、奈良井・木曽福島まで行ってしまうか。そうこう悩んでいるうちに、好事魔多し、不穏な噂が耳に入ってきました。天気予報によると、この日程の頃、長野県は曇りか雪。うーむ、中山道の雪中行軍はできうれば避けたいものです。よしっ決めた。当日、とりあえずトンネルを抜けて長野県の天候を見て判断、晴れていたら(その可能性は低そうですが)予定通り中山道踏破、曇りまたは雪だったら奈良井・木曽福島まで行ってしまう。両者とも駅から近いのでアクセスには苦労しないし、前者の古い宿場の景観・後者の崖屋造りは雪景色の中で良い被写体になるであろうぞ、という色気もあります。お天気任せのいいかげんな旅程ですが、諒としましょう。石橋は壊れない程度に叩く、念のため屋久島の縄文杉に行くため購入して以来一度も履いていないトレッキング・シューズで足を固め、スキー・ジャケットと帽子で身と頭を固めることにしました。また帰省ラッシュが予想されるので、往復の長野新幹線の切符を押さえておきました。持参した本は「ソロモンの指環」(コンラート・ローレンツ ハヤカワノンフィクション文庫)です。

 2010年1月2日、♪つんつくつくつくつん つんつくつくつくつ ひゃらあ♪と口ずさみながら午前七時ちょっと前、自宅を出発。ほとんど雲がなく空気も澄んだ素晴らしい快晴ですが、さて山の向こうはどうでしょう。埼京線に乗って大宮が近づき、ふと車窓から外を眺めると、雪帽子の富嶽がそれはそれはクリアに屹立していました。へえー大宮からも見えるんだ、恐るべし富士山。そして長野行きの新幹線に乗り込み、関東平野の田園風景を見ていると、「727」というその筋では有名な謎の看板がありました。はっははのはー、実はその正体が先日判明しましたので、ご報告します。実は美容室に化粧品を供給する「セブンツーセブン化粧品」という会社です。なおその名の由来は…社長の誕生日です。ちゃんちゃん。そして長いトンネルを抜けて長野県に入ると、綿毛のような雲がいくつか気持ちよさそうに浮かんでいる快晴です。地面や屋根もうっすらと雪を纏っていますが遭難するほどの豪雪ではないようです。はい、決定。上田で降りて中山道を江戸へと歩くことにしましょう。
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 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2011-01-09 12:25 | 中部 | Comments(0)
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