くたじゃん:極上ハンバーグ

 「だまたべ(騙されたと思って、食べてみて)」コーナーと「くたじゃん(くたばれジャンクフード)」コーナーはどうしたの?という問い合わせは全然殺到していませんが、ひさしぶりにこれぞ“くたじゃん”という一品を紹介します。名づけて(名づけるまでもありませんが)極上ハンバーグ。実は山ノ神が、以前に見たあるテレビ番組で、某シェフが自分へのご褒美として時々つくるハンバーグとして紹介されていたそうです。レシピはいたって簡単、メモのご用意も必要ありません。

1.室温に戻した牛100%の挽肉に、胡椒(挽いたものがベター)・オールスパイス・ナツメグを「機長やめてください(古いなあ)」と言われるくらい入れて、適量の塩を加える。生卵を割り入れて、後はひたすら、こねますこねますこねますこねますこねますこねます。単調ですが重要かつ不可欠な作業ですので、BGMをかけて意気を高揚させるのも手です。お薦めはクィーンの「We will rock you」かパバロッティのイタリア歌曲。ウィントン・ケリーのピアノもいいですね。
2.食べる分を団子状にして掌に叩きつけて中の空気を抜きます。これをしっかりやらないと、焼いている時に割れてしまいます。夫婦間の息が合っているお宅では、二人でキャッチボールをするのもいいかもしれません。変化球はやめたほうがいいでしょう。そして木の葉形の成型し、焼いていると中心部が膨らむので真ん中を笑窪のようにくぼませます。
3.そして焼きです。「ハンバーグ、ねり五年、叩き十年、焼き一生」と言いますが(嘘)、我が家ではそれほど難しいことはしておりません。油をひいたフライパンを強火で熱し、両面に焦げ目をほどこした後は弱火にして蓋をする。箸をさして肉汁がほとばしればフィニート。
4.ハンバーグを取り出した後、デミグラスソースとケチャップを適量入れて油・肉汁と混ぜ炒めてソースのできあがり。

 まるでバックハウスが弾くベートーヴェンのピアノソナタのような歯応えと、カザルスが弾くバッハの無伴奏チェロ組曲のような滋味あふれる肉と肉汁の饗宴をご堪能下さい。「これまで食べてきたハンバーグとはいったい何だったのか」という哲学的な問いさえ起こるような、そう、これぞハンバーグのイデーです。
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by sabasaba13 | 2011-02-16 06:19 | 料理 | Comments(0)
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