丹波・播磨・摂津編(19):富岡鉄斎美術館(10.2)

 境内に溢れかえる参拝客をかきわけ、右手奥の方へ行くと、そこが富岡鉄斎美術館。彼をいろいろと世話し、師とも仰がれた大田垣蓮月の特別展が開かれていました。さっそく入館し拝見しましたが、融通無碍の境地に至った晩年の絵があまりないのがちょっと残念。ま、でも、それなりに鉄斎ワールドを堪能することができました。
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 さてバスの発車時刻まですこし時間があるので、どこかの屋台で何かいただきましょう。たこ焼き、明石焼き、お好み焼き、うーん、迷うなあ。すると客で賑わう屋台の中にあって、実直そうな(たぶん)ご夫婦が営むお好み焼きだけ客足がありません。人生感意気、功名誰復論(唐詩選 述懐 魏徴)、ここで買うことにしましょう。豚玉お好み焼き(500円)を購入し、駐車場にあるお休み処の椅子に座ってはふはふとたいらげました。おいしかったよ、おいちゃん、おばちゃん。
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 そうこうしているうちにバスが到着、やれやれ何とかなるもんだな。待てば海路の日和あり、棚からぼたもち、渡る世間に鬼はなし、人生万事塞翁が馬、ですね。ところがぎっちょん、一寸先は闇、好事魔多し、亀の煮凝、でした。JRだか阪急だかわかりませんが、踏切渋滞にはまってさあ大変、泥鰌がでてきてこんにちは。四十分ちかくかかってようやく阪急宝塚駅にたどりつきました。
 西宮北口で乗り換えて三宮で下車。次なる目的地、「水の科学博物館」までバスで行きたいのですが、乗り場がどこにあるのかよくわかりません。しょうがない、タクシーに飛び乗って十分ほどで到着。門をくぐると、六甲山の麓、緑に囲まれて建つドイツ・ルネサンス様式の白亜の館がありました。まるで貴族の邸宅ですが、実は、1917(大正6)年竣工の「奥平野浄水場旧急速濾過場上屋」を再利用した博物館です。水道物件をいろいろと見てきましたが、往時の人々の上水道にかける熱い想いがひしひしと伝わってきます。そりゃそうだよねえ、命を育む水の尊さよ。命を脅かす米軍基地や自衛隊基地や核(原子力)発電所に金をかけるよりは、よほど真っ当な神経だと思います。「神戸水道発祥の地」という記念碑を見て、次は未見の庭園「相楽園」に行ってみることにしましょう。
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 途中で「ゆ あいおい」というポップなディスプレイの銭湯を発見。歩道にあった消火栓の蓋は、神戸ポートタワー・風見鶏・港・ガス灯をデザインしたご当地もの。左下に描いてある建物がよくわかりませんが、「うろこの家」でしょうか。
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 水の科学博物館から歩いて十分ほどで「相楽園」に到着です。ここは小寺泰次郎が営んだ日本庭園と、厩舎と、移築した歴史的建造物が公開されています。重厚な正門をくぐり入園料を払って、まっすぐ進むと右手にあるのが1910(明治43)年に建てられた旧小寺家厩舎。設計は河合浩蔵で、円型の塔屋・急勾配の屋根・豊富な切妻飾りが印象的な、とても馬を飼うところとは思えない華麗な意匠です。その左にあるのが旧ハッサム住宅、英国人貿易商のハッサムが1902(明治35)年ごろに、北野に建てた住宅です。その前には阪神・淡路大震災で落下した煙突が保存されていました。
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 そして1567(永禄10)年に荒木村重が花隈城の鬼門除けとして植えたと伝えられる大クスノキをおがみ、日本庭園へ。池に臨んで船屋形がありますが、これは姫路藩主が河川での遊覧に使っていた「川御座船」の屋形部分だけを陸上げしたものだそうです。木造二階建、切妻造桧皮葺、春慶塗・黒漆塗で塗られ金箔の飾り金具が豪華な、とても船とは思えない物件でした。
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 本日の四枚です。
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by sabasaba13 | 2011-03-03 06:20 | 近畿 | Comments(0)
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