奈良編(6):修二会(10.3)

 やがて境内の照明が消され、いよいよお松明の始まりです。巨大な松明を抱え持った練行衆が二月堂左手にある階段を駆け上り、回廊に姿を現します。そして松明を振って火の粉を撒き散らした後、どどどどどどどと回廊を駆け抜け、右手の角で再び火の粉を振り落とします。何でもこの火の粉を浴びると一年間無病息災でいられるとか。遠目ながらも凄い迫力と力業です。「ナイス、坊主!」と呟く山ノ神。何とかして写真におさめようと三脚を持参したのですが、当然の如くその使用は禁止。こうなったら下手な鉄砲も数打ちゃ当たる、と連写・連写・連写。余談ですが、首にストラップをかけてカメラを前方に引っ張ると多少手ぶれが防げるようです。闇夜を焦がす十本目の紅蓮の炎が消えてお松明の終了です。この間約二十分、さてここからが大変です。この大群衆がいっせいに帰るのですから、下手すると大事故になりかねません。「押さないで下さい、押さないで下さい」と連呼する警官や警備員。「押さんといて下さい、うしろはスカスカでっせ」という、緊張を和らげる某警官のアナウンスには笑ってしまいました。しかし、みなさん良識をわきまえ整然とゆっくりと移動、混乱も事故も起こりませんでした。天平倶楽部に戻りバスに乗り込むと、添乗員さんも「こんな混雑ははじめてです」と疲れきった表情。土日のお松明はそれなりの大混雑を予想しておいたほうがよさそうです。一方、山ノ神はご満悦、「今度はぜったいに至近距離で見てやるわ」と闘志の炎を眦に燃え立たせていました。そしてJR奈良駅近くのワシントンホテルプラザに到着。ひとっ風呂あびて地酒を呑みながら、明日の予定をねりなおりました。「歩く地図」をよく見ると、山の辺の道で自転車を借りられることがわかりました。これで時間が短縮できそう、となると色気が出て奈良町も散策したくなってきました。朝一番で奈良町を歩いて徘徊、JR奈良駅から桜井駅まで行って自転車を借りて山の辺の道を彷徨、そして桜井駅から畝傍駅まで行って今井町を拝見、奈良駅に戻ってお土産を買い、集合場所の京都駅新幹線車内に直行、うん、これでいきましょう。

 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2011-04-02 05:34 | 近畿 | Comments(0)
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