奈良編(12):今井町(10.3)

 中尊坊通から町の懐に分け入ると、おおすごい、江戸時代にタイムスリップしたという陳腐な表現しか思いつきません。虫籠(むしこ)窓、太格子に細格子、煙出し、出格子窓、駒つなぎといった江戸時代の様式を保つ伝統的町屋がずらりと建ち並んでいます。どこを切り取っても絵になっちゃいますねえ。
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 重要文化財の高木家・河合家を通り過ぎると、防衛のためでしょう道が屈折し(鍵の手)、御堂筋へとつながり、その名の通り、町の精神的紐帯となる"御堂"称念寺がその巨躯をあらわします。
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 その向かいに中橋家、そして観光案内所が併設された「今井まちづくりセンター」がありました。ここでパンフレットや地図をもらい、係の方に「出格子窓」の目的について質問してみました。するとそこに明かりを置いて、街灯代わりにしていたとのこと。なるほど。二階部分に意匠化した屋号を漆喰でしつらえた豊田家(今井宗及ゆかりの茶室跡があるそうな)を通り過ぎてすこし歩くと、もう町の端。東西600m、南北310mという小宇宙です。ここには環濠の一部が復元されていました。
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 ここを右折して再び町中に戻ると、そこにあるのが惣年寄筆頭を務めた今西家住宅。慶安3年(1650)に建てられた、まるで城郭のような堂々たる外観です。この本町筋は電柱・電線が埋設されているので、空が広々と見える清々しい通りです。伝統的な町並みを残すところでは、みなこうした措置をほどこしてほしいですね。♪知らなかったよ、空がこんなに広いとは♪と鼻歌をうたいながら歩いていると、駒つなぎならぬ犬つなぎを発見。
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 そしてこの通りにあるのが「今井まちや館」。ほとんどの町屋は内部非公開ですが、こちらでは中に入ることができ、土間や店の間の様子がよくわかります。天井の繊細な木組みが印象的でした。
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 かぜの頭痛・関節の痛み・発熱の薬「おにみみ」のレトロな看板が味わい深いですね。「みみづ配合」にはちょっと腰が引けますが。そして豪壮・華麗な屋根と煙出しが印象的な上田家へ、口を開けながらぼーっと見上げていると、通りかかった地元のご婦人が「この二段になった屋根はしころ屋根というのですよ」と教えてくれました。しころ(錣)とは、兜の鉢につけて頸から襟を防御する、鉄板を何枚も威しつけたものですね。なるほど言い得て妙です。
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 そして吉村家、音村家、内部が公開されている旧米谷家、山尾家を拝見して、夢のような小一時間があっという間に過ぎてしまいました。いつまでもこの小宇宙がこのまま保存され続けることを切に祈り、アディオス、今井町。
 さてそろそろ集合時刻が近づいてきました。畝傍駅に戻ると「大和ぼけ封じ霊場・長寿道案内マップ」をゲット。入線してきた列車に乗り込み、奈良駅へ。こちらで下車して、お土産の巨大どら焼き「三笠」と柿の葉寿司を購入。コインロッカーから荷物を取り出して、奈良線に乗って京都へ。駅構内で夕食の「近江牛すきやき弁当」を購入し、指定された新幹線の指定席にたどり着くと、添乗員さんがにこやかに出迎えてくれました。柿の葉寿司と弁当をたいらげながら、「うむなかなか良い旅であったぞよ」とご満悦の山ノ神。よかったよかった、また供奉させていただきます。
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 本日の十四枚です。
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by sabasaba13 | 2011-04-10 07:55 | 近畿 | Comments(0)
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