熊野古道編(1):前口上(10.3)

 じーん… 感無量です。ここ数年来ずっとあたためてきた、熊野古道を歩くという夢にやっと手が届きました。まずは行程ですが、これは文句なく王道である中辺路(なかへち)で決まり。紀伊田辺から滝尻王子、近露王子、発心門王子を経て熊野本宮大社に到達するメインルートです。他にも田辺から紀伊半島の南端を海岸沿いにまわり那智から本宮に向かう大辺路(おおへち)、高野山から本宮に向かう小辺路(こへち)、吉野から本宮に向かう大峯奥駈道がありますが、はじめての熊野古道なので躊躇なく中辺路を選択しました。なお、大辺路は近世以降文人墨客が風景を愛でながら歩いた道で、国道や線路によってその多くが消滅・分断されているのが現状のようです。また大峯奥駈道は修験道の修行場であり、峻嶮な尾根道を通る難路、はんぱな気持ちで行くべきところではありません。さて運良く本宮にたどりついたら、小雲取越・大雲取越という二つの山越えをして那智に向かいましょう。上皇や貴族たちは本宮からは熊野川を舟で新宮まで下り熊野速玉大社に参詣、陸路で那智に向かい熊野那智大社に参詣、ふたたび陸路で新宮に戻り舟で本宮まで上り、後は往きのルートをたどって京にもどったようです。よってこのルートは、悪天候で舟が使えない時や急いでいる時(藤原定家がこの道を行ったそうな)、あるいは近世以降、庶民が伊勢参りのあと、熊野を含む西国巡礼をした時に利用したルートです。それではいつ行くか。いろいろと調べてみたのですが、避けるべきは暑い夏季と梅雨の時期、台風シーズンの九月。春は穏やかで桜・ヤマツツジがきれいですが気候がやや不安定で杉花粉が舞い飛びます。冬は気候が安定しているのですが日照時間が短いのが玉に瑕。よってベストシーズンは10~11月ということです。とはいっても、そうほいほいと簡単に休暇がとれないのが人の世の常、幸い三月の三連休につなげて二日の代休がとれたので、次善の策として三月下旬に決行することにしました。
 これで骨格は決定、それでは肉付けをしていきましょう。「世界遺産 高野山・熊野古道ベストコース完全ガイド」(扶桑社)と「熊野古道公式完全ガイド」(扶桑社)を参考に検討した結果、一日目:羽田→関西国際空港→田辺泊、二日目:田辺からバスで滝尻王子へ行き古道を歩いて近露王子泊、三日目:近露王子から本宮へ、湯の峰温泉泊、四日目:湯の峰温泉から本宮へ、小雲取越を経て小口泊、五日目:小口から大雲取越を経て那智泊、六日目:列車で新宮に行き熊野速玉大社を見てワイドビュー南紀で名古屋へ、新幹線に乗り換え帰郷、てなもんや三度笠。なお難所は三日目と五日目です。前者は歩行距離27.3km、休憩・拝観等を入れない標準所要時間8時間22分、標高差200~400mの峠越えを三回繰り返すというハードなコースです。後者は歩行距離14.5km、休憩・拝観等を入れない標準所要時間5時間16分、海抜100mほどの地点から一気に標高800m越前峠を越えるという大雲取越です。もちろん他の二日間もそれなりのきついアップダウンが予想されますので、なめてはいけません。
 問題は宿ですね、いろいろと調べてみると、田辺→本宮→那智を一気に歩破せんとする酔狂者は少ないらしく、温泉宿に泊まり近くの古道をすこし歩く方、あるいは何回かに分割して来訪する方が多いようです。よって泊まる宿もかなり限定されてしまい、愛用している「楽天トラベル」でも中辺路ぞいの宿でヒットしたのは田辺のビジネスホテルのみ。「世界遺産 高野山・熊野古道ベストコース完全ガイド」(扶桑社)と「熊野古道公式完全ガイド」(扶桑社)を参考に、電話をかけまくった結果、次の宿をおさえることができました。一泊目:田辺のビジネスホテル「パール」(0739-25-1755)、二泊目:近露の旅館「月の家」(0739-65-0010)、三泊目:湯の峰温泉の民宿「小栗屋」(0735-42-0103)、四泊目:小口自然の家(0735-45-2434)、五泊目:那智の民宿「美滝山荘」(0735-55-0745)です。ちょっと気がかりだったのが、熊野本宮大社から湯の峰温泉までのアクセスです。本来ならば、本宮から大日越という、熊野古道の一部を歩いて湯の峰温泉に行くというのが人として真っ当な行為。しかし、険しい上り道を一時間二十分ほど歩かねばなりません。熊野古道有数のハードなコースを歩いた後ではさすがにきつい、バス・タクシー等代替手段はないものでしょうか。さっそく熊野本宮観光協会toiawase@hongu.jpにメールで問い合わせたところ、ほんとにご丁寧な回答をいただきました。ディスプレイを借りて感謝いたします。それによると、町内にタクシーは二台で、直通の電話番号も教えていただきました。またバスもほぼ一時間に一本ほどあるようなので、これで一安心。

 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2011-04-14 06:17 | 近畿 | Comments(0)
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