熊野古道編(25):湯の峰温泉(10.3)

 羊腸の山道をのぼりおりすること十数分でバスは湯の峰温泉に到着しました。旅館「小栗屋」に荷物を置いて、すこし温泉場を散策することにしましょう。細い渓流沿いにひらけた、なかなか情緒あふれる温泉場、何といっても小栗判官が蘇生したという「つぼ湯」で有名ですね。さっそく川のすぐわきにある小さな小屋がけの「つぼ湯」に行ってみましたが、すでに順番を待っている方が数人おられました。ガイドブックによると、天然岩をくりぬいたお風呂を板で囲っただけの、2~3人が入るといっぱいになる温泉で、30分交替制とのことでした。たかが風呂に入るのに三十分も待っていられるか、こちとら江戸っ子でい、と不埒な言葉をはき退散。
c0051620_6133029.jpg

 近くには90℃近い温の源泉が湧出する「湯筒」があり、卵や野菜をいれれば簡単に茹でることができるそうです。
c0051620_614217.jpg

 そして宿に戻り、温泉につかり、夕食をいただきました。
c0051620_6143013.jpg

 明日の朝食を六時半にお願いし、弁当を頼んで部屋に戻りましたが、さきほど餓鬼のためにご飯三粒を施さなかったことがどうも気にかかります。もう一晩酒を断って清浄な身で明日を迎えることにしましょう。テレビのニュースを見ると、どうやら明日は快晴の模様、百間ぐらからの眺望が楽しみです。そして蒲団にもぐりこんで、ナイトキャップがわりに「南方熊楠随筆集」をまたすこし読みました。
 予が現住宅地に大きな樟の樹あり。その下が快晴にも薄暗いばかり枝葉繁茂し居り、炎天にも熱からず、屋根も大風に損せず、急雨の節書斎から本宅へ走り赴くと掩護するその功抜群だ。日傘雨傘足駄全く無用で、衣類もというところだが、予は年中多く裸か暮しゆえ皮膚も沾(ぬ)れず、こんな貧人に都合のよいことは又とないから、樹が盛えるよう朝夕なるべく根本に小便を垂れてお礼を申し居る。(p.108)
 もう、熊楠さんたら。

 本日の一枚です。
c0051620_615059.jpg

by sabasaba13 | 2011-05-16 06:16 | 近畿 | Comments(0)
<< 熊野古道編(26):大斎原(1... 熊野古道編(24):熊野本宮大... >>