熊野古道編(38):舟見茶屋跡(10.3)

 二十分ほど歩くと、「八丁の掘割」「花折街道」という道標、そして「那智山5.5km 110分(min) (舟見茶屋跡1.1km)」という道標がありました。ここが色川辻、ゴールが見えてきました。ここから舟見峠までが最後の上りです。
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 しかしふたたび音もなく雨が落ちてきました。石仏に一礼し、急な坂道を上りはじめるとやや雨脚が太くなってきました。仏の顔も三度まで、やはり餓鬼の方々が怒っているのかなあ。約二十分で舟見峠に到着、すこし先にある小道に入ると東屋がありますが、ここが舟見茶屋跡です。天気が良ければ、那智湾や勝浦温泉が一望できる素晴らしい展望所なのですが、もちろん雨と霧のため微かに山の稜線が見えるだけ。いたしかなないですね、再訪を期しましょう。旅の記念に、快晴の時の眺めを写した看板を撮影して、さあ気を引き締めて最後の下りにのぞみましょう。
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 ここからはゆるやかな下りと平坦なところがかわるがわる続きます。途中にあったのが登立茶屋跡。崩壊しかかった石垣だけが当時の殷賑を物語っています。解説板から引用します。"…熊野詣での人びとを癒してきたこの茶屋のことを、地元色川地区の人々は昔から「馬つなぎ」と呼んでいました。茶屋は田辺からの日用雑貨、勝浦からの海産物を商う商店でもあったのです。今の国道四二号線が整備されるまで、この道は大阪、和歌山方面への唯一の幹線道路として広く人びとに利用されていました" この細い九十九折りの山道が幹線道路か… 荷物を負わせた馬を引いて、この険峻な山道を行き来した人びとが、歴史を支え作ってきたのですね。
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 足を滑らせぬよう慎重に歩を進め、一時間二十分ほどで車道に合流、ここには那智高原休憩所といくつかの記念碑がありました。雨に濡れながらも健気に咲き誇る桜花に心癒されます。
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 さあもうひと頑張りですが、ここからがけっこうきつうございました。延々だらだらと続くゆるやかな下りの石畳、四日間の疲労は確実に肉体を蝕んでいます。三十分ほど歩き膝がへらへらと笑いはじめたころ、ようやくお寺さんの建物が見えてきました。そして14:33、青岸渡寺に到着、出発から六時間半弱かかりました。やったあああああああああ、熊野古道中辺路を踏破! 得も言われぬ達成感と充実感と疲労感が、全身を貫きます。
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 本日の五枚です。
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by sabasaba13 | 2011-06-04 07:57 | 近畿 | Comments(0)
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