熊野古道編(44):神倉神社(10.3)

 飛び出し小僧や幸徳秋水がかよった大王地の料亭「養老館」を撮影しながら、小雨の降る中ぶらぶらと二十分ほど歩くと神倉神社に到着です。
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 速玉大社の本宮で、神体は「ゴトビキ岩」と呼ばれる異形の巨岩です。いわゆる磐座信仰にもとづく古い神社ですね。ただ、源頼朝が寄進したと伝えられる急勾配の石段538段を上ることになりますが、その石の大きさとアナーキーな並び方は半端ではありません。ひそかに「日本三大きつい石段」にノミネートしておりますが、性懲りもなくまたやってきました。もしかすると悪女の深情け(違うか)、けっこう惚れ込んでいるのかもしれません。あるいは熊野古道を踏破したという自信の為せる業か、雨で足場が滑るのを承知で上ることにしました。上りきると、雨に濡れた満開の桜が出迎えてくれました。そしてゴトビキ岩へ、ゴトビキとは熊野の方言でヒキガエルのことだそうですが、私には巨大な奥歯に見えます。いずれにせよ、その尋常ではない大きさと容姿に古代の人々が何かを感じ取ったのはよく理解できます。晴れていればここから海や市内を一望できるのですが、残念ながら霧でかすんでいたました。さて身も凍るような恐怖の下りです。ここで滑落して前歯を折って血だるまになったら、元も子もありません。悪魔の如く慎重に天使の如く慎重に、ナイターゲレンデのアイスバーンのようにテラテラといやらしく光る石また石に半歩半歩足をおろし、やっとのことで下山に成功、安堵の溜息をつきました。ふう
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 さあそろそろ列車の到着時刻が迫ってきました。昼食も食べたいので駅へと戻りましょう。途中でまた懐かしい旧友に邂逅、「銃ローン」君、元気だったかい。そして駅前に到着、徐福寿司で油ののった「さんまの姿寿司」に舌鼓を打ちました。美味美味。
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 コインロッカーから荷物を取りだし、駅の二階にある喫茶店で珈琲を飲み、入線してきた12:45発の南紀6号に乗り込みました。車内誌を読んでいると、私の憧れの棚田、丸山千枚田が熊野市駅から車で四十分のところにあることが判明、機会をみつけてぜひ訪れてみたいものです。16:05に名古屋に到着、駅にあるキッチン「なごや」でみそかつをいただきましたが、店内全面喫煙可という、アラモ砦のようなお店でした。そして新幹線ホームへ行き、売店で山ノ神への奉納物、赤福を購入。熊野三山への賽銭は忘れても、餓鬼のみなさんへの飯粒は忘れても、山ノ神へのお土産は絶対に忘れない、こんな自分を褒めてあげたいですね。琴瑟相和す、比翼連理、偕老同穴、割れ鍋に綴じ蓋といったところかな。いや、たんに恐怖が記憶中枢をキックし続けた結果なのかもしれません。そして新幹線は無事に東京駅に到着、駅の下り階段で滑落することもなく、家にたどり着けました。
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 本日の五枚です。
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by sabasaba13 | 2011-06-10 06:18 | 近畿 | Comments(0)
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