豊橋編(3):半田(10.4)

 蔵の脇の風情ある路地を抜けると、川につきあたります。ここが十ヶ(じっか)川、あるいは半田運河。往時は、あまたの帆船がここに着岸、往来していたのでしょう。今はその役目を終えて運河は静かにまどろんでいます。対岸へ渡り、國盛の酒蔵を撮影、川沿いの道を南へと歩いていきます。
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 途中にあったお宅には、「世の中ぶっそうですから立入禁止です わかったか バカ共へ」「各位へ 来客は11:00AM~2:00PMまで 他は一切お断り!」という札が掲げられていました。何か深刻なトラウマとなる出来事があったのかもしれませんが、見ず知らずの方からバカ呼ばわりされるのはあまり気持ちのよいものではありません。
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 このあたりは黒板塀の蔵が建ち並ぶ、落ち着いた雰囲気の路地が続きます。
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 県道112号線を渡ると、川の両岸一体に蔵が林立する見事な風景に出会えました。ほのかに鼻腔をくすぐる酢の香りがなんともいえずいいものです。岸に沿って無数の鯉のぼりがはためいているのは何かのイベントなのでしょう。
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 こちらには博物館「酢の里」も併設されています。その隣にあるモダンなビルは、中埜又左衛門(五代)が1901(明治34)年に設立したかつての「中埜銀行」。(竣工は1925年)  中埜一族の安定した資金力をもとに、地元のさまざまな企業をサポートし、地域振興に大きな役割を果たしたとのこと。現在ではミツカングループ本社中央研究所として使用されているそうです。
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 それでは線路を西側へと渡り、旧中埜家住宅を拝見しに行きましょう。「ひち 守田屋」という看板がありましたが、これは質屋のことかしらん。ご教示を乞う。「マニアナ」という異な名前の喫茶店も気になりますね。
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 踏切を渡ると、くもみちゃんが身悶えするようなとんがり物件がありました。煙草と宝くじを商っているお宅ですが、入口の貼り紙に心を揺さぶられました。「お金や商品はありません。年寄り2人で一所懸命やっているお店です。シャッターなどお店を壊さないで下さい。お願いします。」 いかりのにがさまた青さ/四月の気層のひかりの底を/唾し はぎしりゆききする修羅になった気分で、風景がなみだにゆすれてしまいます。さきほどの攻撃的な貼り紙といい、このあたりの治安はかなり悪化しているのかもしれません。
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 電信柱には「山車のまち はんだ」というプレート。「紺屋海道」という道標がありましたが、なにか謂れがありそうですね。木造二階建ての古いお宅には、扇形の小粋な窓がしつらえてあったので、かつて遊郭だったのかもしれません。あるお宅の玄関に「立春大吉????(判読できず)」という摩訶不思議なお札が貼ってありました。その地域の成り立ちや歴史を感じさせる物件に出会うと、頭も活性化されてくるようです。
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 本日の二枚です。
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by sabasaba13 | 2011-06-17 06:19 | 中部 | Comments(0)
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