豊橋編(16):豊川稲荷(10.4)

 私が見落としたのかもしれませんが、町並みにはそれほど見るべきものはありませんでした。洋館風にあしらった日本家屋、松葉の意匠がほどこされた戸袋、入口に千鳥破風がある謎のお宅、格子窓の家ぐらいだったかな。そして駅に戻り、丁重にお礼を言って自転車を返却。
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 やってきた列車に乗り込みました。このまま帰郷してもいいのですが、せっかくここまで来たのだから未踏の地・豊川稲荷に寄ってみますか。三十分ほどで新豊橋駅に到着、豊橋から飯田線に乗って十分強で豊川稲荷駅に着きました。時刻は午後五時半、もう参拝客の姿もあまりなく、門前町「なつかし青春商店街」は閑散としています。狐のオブジェや稲荷寿司の看板が眼につくのは当然ですね。
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 そして数分歩くと豊川稲荷に到着、さすがは日本三大稲荷の一つ(他は伏見稲荷・祐徳稲荷)、広大な境内と豪壮な社殿です。
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 そして豊川稲荷駅に戻り、入線した飯田線の列車に乗り込むと「魅惑の飯田線 秘境駅探訪マップ」という車内吊り広告がありました。なんでも牛山隆信氏が提唱している物件で、人気がないところにあり、駅周辺に人家や人の気配がほとんど感じられず、鉄道以外での到達が難しい駅を指すそうです。さっそく氏のホームページを拝見すると、秘境度・雰囲気・列車到達難易度・車到達難易度を総合評価して、200位までの秘境駅がランクされています。そのうち、この飯田線からは、第二位に小和田駅、第四位に田本駅、第十三位に金野駅がノミネートされていました。なるほどねえ、こういうディープな楽しみ方もあるのか。旅の奥深さと豊饒さをあらためて感じ入った次第です。つねづね思うのですが、人に迷惑をかけず、環境に負荷をかけず、金をかけず、いかにして楽しく暇を潰すかという課題に直面しているのが現代という時代です。私の答えは、公共輸送機関を利用する旅。これからも寂しさの終てなむ処を求めて、幾山河を越えていくつもりです。もちろん、そういう贅沢を許されているのは地球上でもほんの一部の人々に過ぎないという批判は甘んじて受けますが。
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 そして豊橋駅に戻り、駅構内にある「鈴の屋」で菜めし田楽をいただきました。
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 さあそれでは新幹線に乗って帰郷することにしましょう。そうそう山ノ神に奉納する赤福を買わなければ。駅のお土産屋さんで訊ねたところ…売っていないとのこと。嗚呼、豊橋は赤福文化圏ではないのか。もしかすると、赤福販売の有無の境界が、東西文化圏の境界と重なっているのかもしれません。丸い餅と四角い餅、アホとバカ、エスカレーターで立ち止まる時の左右、そうした境界とも重複するような気がします。ま、これは仮説ですが、いずれは実証…できないだろうなあ、などと馬鹿なことを考えながら新幹線に乗り込みました。

 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2011-07-03 05:51 | 中部 | Comments(0)
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