天浜鉄道・中津川編(1):前口上(10.7)

 たまたま「文化遺産オンライン」というサイトにでくわしました。なんでも文化庁が運営している日本の文化遺産についての電子情報広場だそうですが、これがなかなかいけます。「分野から探す」→「建造物・近代その他」と進んでいくと、私好みの近代化遺産がてんこ盛り。いわゆる「登録有形文化財」を相当数網羅しているのではないでしょうか。郵便局病院火の見櫓といったレアな物件にも眼が配られているのが素晴らしい。深夜、ニヤニヤしながら眺めていると、「凱旋紀念門」という物件が出てきました。がいせんきねんもん?
静岡県
明治/1906
煉瓦造、幅3.2m、高さ3.6m
1基
静岡県浜松市引佐町渋川
登録年月日:20020214
六所神社
登録有形文化財

日露戦争を記念して,神社参道の途中に築かれた。石造柱脚の上に,柱頭を鋸歯飾とした煉瓦造柱が立ち上がり,煉瓦造欠円アーチを挟み込む。大型の扁額を嵌め込んだフランス積壁面の上部に,江戸切仕上石材の重厚な笠石を載せる。県内初期の煉瓦造構造物。
 なんたるちゃ! 日露戦争から帰還した兵士を出迎える凱旋門が現存しているとは夢にも思いませんでした。ちなみにその数はわずか二つ、ここと鹿児島県姶良市にある山田の凱旋門だけだそうです。これは貴重な戦争遺跡、時代の物言わぬ証言者ですね。己の蒙昧さに恥じ入るとともに、ぜひともこの両眼で拝見したくなり、居ても立ってもいられなくなりました。さっそく渋川をインターネットで調べてみると、天竜浜名湖鉄道の金指という駅からタクシーで行けそうです。かなり山深そうだな、これは棚田がありそうだと農村環境整備センターが選んだ「棚田百選」で調べてみたところ、ビンゴ! すぐ近くに久留女木の棚田がありました。スネーク・アイ(7-10のスプリット)をクリアしたような爽快な気分。実は、以前に遠州森に行った時にこの天浜鉄道に乗り、長閑でいい路線だな、終着まで乗ってみたいなと思っていたので渡りに舟です。沿線の見どころについて調べてみると、天竜二俣駅に転車台と扇形車庫があり、おまけに藤森照信氏設計の秋野不矩美術館が駅の近くにありました。ウールワース(5-10のスプリット)をクリアしたような心地よい気分です。というわけで、天竜二俣と金指での途中下車と散策をおりまぜて、掛川から新所原まで天浜鉄道に乗ることに決定。せっかくここまで来たのだから、一泊二日の行程にしていろいろと歩き回ってみたいものです。「東海・北陸 小さな町小さな旅」(山と渓谷社)で調べてみると、捜査線上に中津川・岩村・明智という名が浮かび上がってきました。名古屋から飯田線で中津川まで行き宿泊、翌日は恵那から明知鉄道に乗り換え、明智と岩村を散策。もし時間が余ったら、名古屋で近代化遺産を探訪しましょう。以前から気になっていた東山植物園温室前館、「文化遺産オンライン」で発見した日本最古の観覧車(オリエンタルビル屋上)、十州樓本館、一宮にある旧起第二尋常小学校奉安殿が候補地です。そうそう、豊橋に行った時に観光パンフレットで知った、東海道の宿場・二川にも寄れますね。新所原の次の駅です。これで水も漏らさぬ鉄壁の布陣ができあがりました。[第一日目]転車台・秋野不矩美術館→凱旋紀念門・久留女木の棚田→二川→中津川 [第二日目]明智→岩村→名古屋 ヘルメスに唾するような強行日程ですが、己の性です致し方ありません。現地で入手した情報を活用し時間と相談しながら旅程は適宜改変し、いつものように後は野となれ山となれ的に彷徨うことにしましょう。理由はよくわかりませんが、持参した本は「帝国主義」(幸徳秋水 岩波文庫)です。後でわかったのですが、これはクリオの配剤でした。
by sabasaba13 | 2011-07-21 06:13 | 中部 | Comments(0)
<< 天浜鉄道・中津川編(2):掛川... 筑波山編(10):土浦(10.5) >>