天浜鉄道・中津川編(11):中津川(10.7)

 旧中山道は商店街になっていますが、歩道に奇妙奇天烈なオブジェが点在しています。筍、トンネルを抜ける蒸気機関車、三番叟、ブラジルの国旗… まるでロートレアモンの詩のようです。
c0051620_7142237.jpg

 「間家大正の蔵」は、白木や塩の販売で栄えた間家の蔵。1917(大正6)年に作られましたが、鉄筋コンクリート造りの蔵は珍しいそうです。その先にある中津川村庄屋肥田家の居宅は、瓦屋根のついた豪壮な卯建(うだつ)が見もの。江戸後期から旅籠を経営し、1893(明治26)年には恵那山に登ったイギリス人登山家・ウェストンも宿泊したそうです。またこの肥田家は、島崎藤村の『夜明け前』で、小野三郎兵衛として登場するとのこと。
c0051620_714527.jpg

 すこし歩くとくきっくきっと枡形が二つ連続しますが、このあたりの景観は素晴らしいですね。卯建をもつ古い商家が建ち並び、正面には造り酒屋「はざま酒造」の趣ある建物が見えます。ちょうど薄暮となり、格子越しにもえる灯りがなんともいい風情です。
c0051620_7151733.jpg

 さてそれでは夕食をとって宿に帰るとしますか。はざま酒造でナイト・キャップにする純米酒を購入し、さあどこで飯を食おうかなと旧中山道をぶらぶら歩いていると、「チキンハウス」という店がありました。店頭にあるメニューには「恵那どり ケイちゃん 岐阜県の代表的な鶏肉料理」とあります。うん、このご当地B級グルメに決めた、入店して件の料理を所望、すぐにケイちゃんがしずしずとご来臨。おお待ちかねたぞ、苦しうない、ちこう寄れ。鶏肉とキャベツを、ニンニクのきいたタレで炒めたシンプルな料理ですが、これがなかなか旨い。しっかりとした味の鶏肉と、歯ごたえのあるキャベツと、旨味のあるタレが織り成す味のトリコロール。気に入りました。イーターズ・ハイ状態となり、気がつけば皿から料理が消えていました。さて会計、ん? メニューを見ると、「無尽、歓送迎会、忘・新年会、各種宴会を承ります」とあります。無尽? 相互に金銭を融通しあう目的で組織された無尽講から、この地では寄り合いのことを無尽と呼んでいるのでしょうか。会計をする時に店の方に訊ねると、やはり寄り合いのことを"無尽"と言うそうです。古語がこういう風にいまだに使われているのは面白いですね。
c0051620_7154579.jpg

 駅前のホテルにチェックインし、部屋でシャワーを浴びて、ヘルメスとクリオと山ノ神に献杯して日本酒で咽喉を潤し、さきほどもらったパンフレット類を眺めました。おおっ熊谷守一記念館が中津川近くの付知にあるのか、でも明日は休館日でした。
c0051620_7161013.jpg

 「東濃ジパング」という小冊子はなかなか充実した内容でした。岩村の近くに「農村景観日本一」に認定された集落があるそうです、ここはぜひ寄ってみたいですね。また恵那からタクシーで三十分ほどのところに、「棚田百選」に選ばれた坂折の棚田があります。うーんこちらも捨てがたい。時間と相談しながら行程に組み込むことにしましょう。とりあえず明日は、中津川→恵那→明知鉄道で明智へ→岩村→恵那(時間があったら棚田へ)という旅程を基本線としておさえておきましょう。そしてナイト・キャップを楽しみながらウィンブルドンの男子決勝戦を堪能。ナダルの人間業を超越した凄まじいフットワークに見惚れていると、いつの間にやら深い眠りの底に沈んでいました。

 本日の二枚です。
c0051620_7163494.jpg

c0051620_7165684.jpg

by sabasaba13 | 2011-08-03 07:17 | 中部 | Comments(0)
<< 言葉の花綵56 天浜鉄道・中津川編(10):中... >>