路地を折れると、岩村藩お抱えの鉄砲鍛冶、加納家があります。軒裏まで塗込められ外へ傾いた漆喰壁は珍しいですね。狛犬の飾り瓦にも注目。
そして高札場が復元してある枡形を過ぎると、古い商家が目白押し。まずは、幕末、窮乏した藩財政を支えた商家の一つ勝川家があり、内部が公開されています。その向かいにある何の変哲もないお宅の二階中央に大きな時計があり、しかも正確な時刻を示しているのには驚愕。どう見ても時計屋さんには見えないのですが…
そして見事な格子のある浅見家、庄屋でありながら御用達職を命じられた家だそうです。その先には看板の跡が風化して素性がわからない、古いビルがありました。
「ふれあいの館」は、旧十六銀行を再利用した観光案内所です。木村家も藩の財政困窮のたびに御用金を調達してその危機を救った問屋で、藩主自身が幾度となくこの木村邸を訪れたと言われています。そのためなのでしょうか、見張りのための立派な武者窓が印象的です。
厨子二階造りの浅井屋では、ひさしぶりに「
コバタ物件」をゲット。
鞆、
御手洗、
西舞鶴、
小幡に続いて五例目の貴重な発見です。
水野薬局は、軒先に並ぶレトロな木製看板が度肝を抜きます。なお岐阜事件前夜に板垣退助が宿泊したのがこちらだそうです。
その先には「昭」の字の浮き彫りがある洋風商店がありました。「女城主」という酒をつくっている岩村醸造には、店内に運搬用トロッコのレールが残されています。このあたりになると、岩村城のある山が眼前に迫ってきました。深萱商店は「肥料・飼料・プロパンガス・金物・米穀・農薬・セメント・食塩」という豊富な品ぞろえ。「おしゃれの店 うめしょう」は先ほどと同じタイプの洋風商店です。なおこのあたりであまり見かけないお札を発見、日蓮宗関係のものだと思われます。
本日の五枚です。