天浜鉄道・中津川編(20):大井ダム(10.7)

 そしてふたたびタクシーに乗って岩村駅に戻りました。気がつくと軒にある駅名の表記が右書きでした、戦前の物件なのですね。ホームのベンチに座り、山と線路と古い駅舎が織り成す長閑な景観を写真に撮っていると、列車が入線してきました。
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 さっそく乗り込み、車窓からの眺めを楽しんでいると、噂の極楽駅がありました。
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 そして三十分ほどで恵那駅に到着。さあ本日最後の訪問地、坂折の棚田へとタクシーで参りましょう。しかし時間はともなく、費用がどれほどかかるのか不明です。あまりに高額だったら撤収という選択肢もあるので、念のため駅前にあった観光案内所で訊ねてみました。係の女性はたいへん懇切丁寧に対応してくれて、「こういう企画があるのですが」とあるパンフレットを見せてくれました。なになに、「駅から観タクン」? 何でもここの観光案内所を通して申し込むと、二時間6500円で観光タクシーを利用できるという内容です。安い! おまけに既定のコースを見ると、大井ダムが入っているではありませんか。提示されているコースとはすこし違う大井ダム+恵那峡+坂折の棚田を見学するというルートは可能かと訊ねると、「大丈夫です…たぶん」という心強いお答え。乗った! さっそくタクシー会社に連絡をとってくれて、しばらくして一台のタクシーが到着、篤実そうな初老の運転手さんが案内所に入ってきました。希望のコースを提示すると、no problemというお返事。おお神に愛されし者よ、何たる僥倖、大井ダムを見ることができます。
 急流沿いの細い道を走ること十数分で、1931(昭和6)年につくられた東雲橋に到着、そして右手を見ると、おおっ、勢いよく木曽川の水を放流する大井ダムの巨躯が遠望できました。タクシーには橋のたもとで待っていてもらうことにして、下車してダムを撮影。
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 発電所入口に行くと、左側に細い通路があり、見学が可能とのことでした。巨大な水圧鉄管の脇を通り過ぎ、階段をジグザグと上ると、ダムの天端の脇に到着。絶景絶景、本流を迸らせるダム、山並みを貫いて流れる木曽川と東雲橋を手に取るように眺めることができます。胸のすくような爽快な景観に大満足。なお天端部分は歩くことができますが、手摺の意匠にも神経を使っているのがよくわかります。
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 また記念碑が二つありましたが、そのレリーフとして刻まれている肖像は福沢桃介でしょうか。恥ずかしながら碑文は、達筆のため読むことができませんでした。
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 それでは、ウィキペディアから抜粋して引用します。
大井ダムは、…木曽川本川中流部に建設された発電専用ダムである。土木学会選奨土木遺産。木曽川水系で最初に造られたダムで、1924年(大正13年)に完成。ダムの形式は重力式コンクリートダムで高さは53.4メートル。日本では帝釈川ダム(高梁川水系帝釈川)に次ぐ、50メートル超級のダムである。ダムに付設する大井発電所はダム式発電所としては日本で初めての例である。
木曽川は急流である上に水量が豊富な事から、水力発電には絶好の適地であった。1911年(大正元年)には電気事業法が制定され、一挙に水力発電の開発機運は高まった。だが当時は氾濫を繰り返し木曽川本川のダム建設は困難極まりなかった。木曽川に目をつけたのは、後に「日本の電力王」と渾名された福澤桃介である。慶應義塾大学創設者・福澤諭吉の養子であった桃介は、木曽川の電源開発を企図しこの地にダムによる水力発電を計画した。建設は「半川締切工法」で行われたが、度重なる洪水による資材流出など困難を極めた。だが、日本初の女優・マダム貞奴の援助等もあり、苦難の末完成させた。この偉業は、当時世界のビッグ・プロジェクトの一つに数えられた。
 「男伊達ならあの木曽川の流れ来る水とめてみよ」と木曽節にも歌われた木曽川の激流をせきとめたその偉業に頭を垂れましょう。そしてタクシーに戻り、恵那峡へと向かいます。十分ほどで、大井ダムによってつくられた渓谷、恵那峡に到着。ダムの開発によって美しい景観が損なわれるケースが多いのですが、ここは全く逆なのですね。展望台からは、満々と水を湛える恵那峡、岸辺を飾る奇岩や恵那峡大橋を眺望することができます。なお地理学者・志賀重昂が「恵那峡」と命名したそうです。
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 本日の五枚です。
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by sabasaba13 | 2011-08-15 07:16 | 中部 | Comments(0)
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