門を抜けると、国章と市章をかたどったカラフルなタイル屋根の聖マルコ教会が目に飛び込んできます。1882年に、ハンガリーの名窯ジョルナイ工房のセラミックでつくられているそうです。ウィーンの聖シュテファン教会の屋根も同工房によるものだとか。近くの官公庁にはクロアチア国旗とEUの旗が並べて掲揚されていましたが、近々加盟が実現するそうですね。新市街の方へ道を左折すると、伝統的なガラス絵のコレクションを展示するナイーヴアート美術館がありますが、ここは自由行動の時に寄ってみるつもりです。
おっその一角でとぼけた
顔に見えるお宅を発見。その先にあるのがロトルシュチャク塔、13世紀に城壁の南門に建てられた見張り塔です。内部は見学可能、上からの眺望が良さそうなのでこちらも後ほど上ってみましょう。
そして新市街を見晴らせるバルコニーのような場所に到着。こちらにあるのが、旧市街が残るグラデッツの丘と、その下に広がる新市街を結ぶ、1890年に開業した「年を取った貴婦人」と呼ばれる古いケーブルカーです。こういうレトロな乗り物には垂涎する私、「乗らいでか」と近づくと…残念ながらメンテナンスのため休業中。
リスボンの古いケーブルカーと双璧をなす物件、無理かもしれませんが再訪を期しましょう。
ここから石段をおりると、ショップやホテルが建ち並ぶ、ザグレブの中心地イェラチッチ広場です。広場中央に置かれている騎乗の武人像がイェラチッチ、ハプスブルク帝国内でのクロアチアの地位を高めるために、皇帝の爪牙となり、ハンガリーの独立運動やウィーンの革命運動を弾圧した総督です。
さあこの広場でツァーは一時解散、お楽しみ、二時間半の自由行動です。なおホテルでの夕食をスキップし、タクシー等を利用して自力でホテルに戻り、明日早朝の出発時刻に間に合うのであれば、ずっと自由時間にして構わないという添乗員さんのオファーがありましたが、ま、二時間半あれば見るべきものは見られるでしょう。結局、居残ることにしたのは若い御夫婦一組だけでした。
路面電車に乗って、ミマラ美術館とナイーヴアート美術館を見学して、ロトルシュチャク塔にのぼって街を睥睨する、そんな予定でいきましょう。まずは広場にある観光案内所に寄って地図をもらい、ミマラ美術館に行くための路面電車の路線を確認しました。すると係の方は、「二区間までは無料ですよ」という耳寄りな情報を教えてくれました。素晴らしい! なんて良い街なんだ! さっそく停留所に行くと、街のイメージ・カラーなのでしょう、鮮やかな青色の路面電車がひっきりなしにやってきます。最新型の超低床電車に乗り込むと、中にはローラーブレード禁止の
ピクトグラム。無謀な御仁がいるようですね。
本日の一枚です。