隠岐編(32):浦富海岸(10.9)

 それでは岩美駅へと戻ってもらいましょう。運転手さんに餘部鉄橋のことを伺うと、記念として橋桁二本を残し、解体作業が進んでいるということです。餘部鉄橋のところは冬に強風が吹くため、列車がしばしばストップしてダイヤはずたずたになったそうです。そのため京阪方面に行くときは因美線が使われ、鳥取以東はとりのこされてしまいました。なお新しい橋梁は、強風対策もきちんと施されているとのこと。それにしてもこの名橋が健在のときに、この眼で見ておきたかったなあ。実は数年前、三仏寺投入堂を見に行く途中、山陰本線でこの橋の上を通過しました。その時、餘部駅で下車して下から拝見しようかなとふと思ったのですが、次の列車が一時間後ということでやめてしまいました。後悔だらけの人生ですが、これはその中でもベスト10にノミネートしたいですね。"過而不改 是謂過矣"、それ以後は見るべきものは万難を排して見るようにしています。さてタクシーは岩井温泉を通り過ぎましたが、後で持参したガイドブックを読んでいたところ、こちらには明治期の小学校建築があったことが判明しました。あちゃー、見落とした。これはunforced errorですね、自戒自戒。ま、いいや、「偉大なるローカル線」山陰本線の沿線はまた訪れる機会があるでしょう。時計を見るとまだ三十分ほどありますので、運転手さんに付近の見どころに寄れないかと訊ねると、駅からすぐ近くにある浦富(うらどめ)海岸を紹介してくれました。なんでも、このあたり一帯は「山陰海岸ジオパーク・ジオエリア」という公園として売り出しており、浦富海岸はそこに含まれる景勝地だそうです。よし乗った、駅から十分ほど走ると海岸に到着、たしかに奇岩・巨岩が目につきますが、それほどのスケールは感じられません。ここから西に向かって鳥取砂丘まで連なっているということなので、このあたりはさわり、先にはもっと見どころがあるのかもしれませんが時間切れです。
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 岩美駅に戻ってもらい、丁重にお礼を言って運転手さんとお別れしました。駅前にあるトイレに入ると、「ポイ捨て禁止 ポイ捨てされたらあなたはどう思いますか?」という中学生が制作したポスターが貼ってありました。岩美中学校Bグループのみなさん、捨てられる側の立場に立ってものを考える、素晴らしい発想ですね。ここはぜひ一つ、さらに発想をふくらませて、"ポイ捨てされる恐怖"を蔓延させて労働者を地獄の競争に叩き落し、経済の活性化を企てている財界・政治家・官僚のおじさんたちの存在にまで思いを馳せてください。こうした御仁をどうやって退場させるか、それを考えるのも大切な学力です。駅前にある「イツバタ書店」はもう廃業されてしまったのでしょうか、古風な煙草売り場が設置されていたので「コバタ物件」を探しましたが発見できず。
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by sabasaba13 | 2012-01-15 09:45 | 山陰 | Comments(0)
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