常陸錦秋編(4):高萩(10.11)

 その近くには、寄棟のお宅や、石造りの自転車屋さんもありました。"立小便厳禁 空缶・ビン・ゴミ等々 一、立小便を発見しだい罰金頂きます。「一切苦情は受けません。」"という剛毅な書体の貼り紙がありましたが、よく見ると"厳"という字に、やまいだれの如く点が二つついています。あまりにも恰幅が良く威風堂々とした誤字なので、一瞬これが正しかったっけと錯覚していしまいましたが、調査の結果やはり点点はありません。
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 閑古鳥が号泣している「南銀座商店街」の前を通り過ぎると、看板建築の遺構がありました。中央の富士山状の意匠が気になりますね。住宅街のど真ん中に屹立する不思議な二本の電波塔の巨躯を撮影し、すこし歩くと(たぶん)金竜飛にストレートを浴びせる矢吹丈を描いた「ワールド日立ジム」の看板がありました。そういえば、金竜飛には、アジア三十年戦争の一環である朝鮮戦争にまつわる悲しいエピソードがありましたっけ。それはそうと著作権の問題はクリアしているのでしょうか。
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 そして目抜き通りへ、実は往きのバスの車窓から、この通りでいくつか気になる物件を見かけました。ちょっと期待できそうな雰囲気の通りです。まずは袖蔵のついた商家建築、残念ながら仕舞た屋のようでした。上田商事株式会社も同様の袖蔵+商家建築ですが、窓の桟の繊細な意匠がいいですね。
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 上田商事自動車部品は、強引にとりつけたオーダーっぽい柱や、稚拙だが愛嬌のある装飾など、脱力感にあふれた奇天烈な建物です。あづま鮨は、ファサード上部の「鮨」と記した花頭窓みたいな形の装飾がいい味を出しています。
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 力新堂接骨院は、なかなか重厚なフレイバーを漂わせた力作ですね、「お主の折れた骨をくっつけてみせよう」という気迫がびしびし伝わってきます。古い煉瓦造りの塀もお見逃しなく。
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 そして交差点には、寄棟の住宅が二件、その一つはさきほどバスの車窓から見た石造りの瓦物件でした。
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 あるお宅の塀では鏝絵を発見、うーんこれはレアな物件ですね。鏝絵には興味がありまして、これまでも安心院(あじむ)や松崎を訪れましたが、塀にしつらえてある鏝絵は珍しい。
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 その近くの路地裏には、海鼠壁の蔵に、ワンポイントのように小さな鏝絵がしつらえてありました。その前にある手押しポンプとともに、町の有形文化財に指定していただきたいものです。
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 「硬派のスポーツ野郎集まれ」と怒号するNAKAYAを通り過ぎると、側面に幾何学的な意匠をほどこしたお宅がありました。
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 おっここにも煉瓦造りの塀があった、近くに煉瓦を製造する窯があったのでしょうか。深谷の日本煉瓦製造株式会社はちょっと遠いしなあ。そして高萩駅にふたたび戻りましたが、構内に「緑川石材工業」という看板がありました。やはりここ高萩は石材の産地のようですね。
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 というわけで、うん、なかなかいいじゃないか、高萩。安っぽくて個性的なB級建築にたくさん出会うことができました。

 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2012-03-07 06:22 | 関東 | Comments(0)
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