グリンデルワルト編(7):メンリッヒェン(10.12)

 とにかく前傾姿勢を保つ、そのために足の指を上げる、fall lineへ正対する勇気を失わない、などなどいくつかのポイントを反芻しながら滑走開始。どでん。さっそく転んでしまいました。心配した山ノ神がかけよってきましたが、大丈夫大丈夫、ちょっと姿勢が後傾だったかなと自己分析。幸い、転んだのはこれ一度だけですみました。なお山ノ神は「転ばないスキー」という美学と信念をもっており、低い重心を活かして、一度も転びませんでした。ああそれにしても何と素晴らしい眺めであることよ。峨々たる山なみ、荒々しい岩肌と雪のコントラスト、雪をかぶった木々、清冽な空気と紺碧の空、もう絵のような世界です。ちょっと滑っては止まり、風景を見入って写真を撮り、また滑る。そしてEIGERNORDWAND(アイガー北壁)というリフトに乗って、アイガーグレッチャー駅まで上ります。ここからは北壁を手に取るように間近に見ることができます。そして赤26番を滑り下りて、一気にグルントへと向かうロングコースの青22番を滑走。橇を楽しんでいる方がけっこういらっしゃいますが、何と橇専用のコースもありました。自転車の形をした珍しい橇は、ヴェロゲメルと言うそうです。美しい景色を眺めながら長いコースをちんたらと滑る、スキーの醍醐味を堪能してグルントに到着。
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 さて時刻は午後三時半、もうこんな好天には恵まれないかもしれないので、オーバーランド三山(ユングフラウ・メンヒ・アイガー)を一望できるメンリッヒェンまでゴンドラで行くことにしましょう。グルント駅からゴンドラ駅まではすこし離れており、外した板を担いで滑る雪道を苦労しながら歩いてやっと到着。頂上まで三十分ほどかかるというので、着いたら午後四時をまわっているでしょう。もう薄暮が迫っているし、ひさしぶりのスキーで足も疲れているし、君子危うきに近寄らず、滑走するのはやめてゴンドラに乗って降りてくることにしましょう。四人乗りゴンドラに乗り込み、広々としたコースを楽しげに滑るスキーヤーや橇ストたちや残照が映える山々を眺めていると、頂上駅に到着しました。
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 外へ出ると、おおっ、美しい白衣をまとった三山が、仲良く寄り添うように鎮座されています。物音一つしない静寂の中、凛冽としたその姿にしばし見惚れてしまいました。

 本日の二枚、下がメンリッヒェンからの眺めです。
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by sabasaba13 | 2012-05-15 06:19 | 海外 | Comments(0)
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