甲斐路編(6):大月(11.5)

 おっ駅前にある「JR大月保線技術センター」は、下見板張りで大きくとった窓がモダンな、なかなか洒落た意匠です。これは期待できそう。目抜き通りを歩いてみると、これといった物件には出会えませんでした。先述のようにそれはよいとして、商店街のほとんどはシャッターが閉まり、閑古鳥が乱舞しているありさまでした。念のため観光案内所に行ってみると、「5・6日とお休みになります」という張り紙。ゴールデン・ウィークの真っ最中に観光案内所が店じまいか… 地方の窮状を目の当たりにした思いです。これまでも各地を歩いてきましたが、随所で見かけるお馴染みの光景となりました。日本を破滅させかねない原発の狂ったような建設も、窮乏に苦しむ地方の足元を見て札束で顔をひっぱたいて強行してきたわけですから、この問題とは無関係ではありません。なぜ地方が衰微したのか。やはり就業機会の減少が大きな原因だと考えます。中央から進出した大資本の草刈り場とされ、郊外には大規模小売店舗が建ち並び、自家用車の普及が人々の足を郊外へと向けさせ、それが地元商店街の衰微に拍車をかける。まだまだ原因がありそうですね、いったい何故なのか、どうしたよいのか、これも宿題としましょう。ま、とりあえず富士山を意匠した「大月消防団第一部会館」の看板を撮影。
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 そして大月駅前に戻ると、「明治から、大正、昭和、平成の今日まで、100余年に亙り、当地で理髪業を営んでまいりましたが、本年5月15日(日)をもちまして閉店させて頂くことといたしました」という鈴木理髪店の血を吐くような貼り紙がありました。不況のためか、後継者がいないためか、わかりませんが、この町の人々の思い出を紡いできた場所が消えていくわけですね。記念として、鈴木理髪店を撮影。
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 大月駅構内に入ると、目の前にある岩殿山が、東京スカイツリーと同じ634mであると紹介するポスターが掲示してありました。
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 そして甲府行き普通列車に乗り込むと次の駅が初狩です。駅前にある旅館では、藤の花が満開でした。「ヤマサ醤油」と「たばこ」のホーロー看板を撮影し、持参した地図を頼りに歩を進めていくと、代掻きのため水を張った田んぼがおぼろげに霞む山々を映しだしています。この時期だけに見られる、私の大好きな風景の一つです。途中で、扇の中に針金を通してある風変わりな透かしブロックをゲット。透かしブロックの意匠か、きっと誰かがもう採集をしているでしょうが、遅ればせながら私も始めてみることにしました。
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 そして甲州街道に面して建つ旧今井医院に到着です。木造、モルタル仕上げ、陸屋根の建物を、コンクリート造に似た外観にしているのが特徴。軒下の連続装飾や窓上部の石造風意匠が、いいアクセントになっています。そして初狩駅前に戻り、掲示されていた観光地図をふと見ると、「山本周五郎誕生の碑」と記されていました。へえ彼はここ初狩の生まれだったんだ。

 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2012-09-27 06:16 | 中部 | Comments(0)
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