甲斐路編(7):勝沼(11.5)

 甲府行き普通列車に乗り込み、二十分ほどで勝沼ぶどう郷駅に到着です。さすがは、ワインで有名な観光地、駅に観光案内所があったので地図をいただきました。お目当ては祝橋ですが、大日影トンネル遊歩道・旧田中銀行博物館にも寄ってみることにしましょう。まずは駅から歩いて五分ほどのところにある大日影トンネル遊歩道へ行きました。1903(明治36)年に中央本線のためにつくられたトンネルで、94年間にわたり旅客や貨物の輸送を支えてきましたが、新トンネルの開通によって、1997(平成9)年に閉鎖されました。それを全長1367.8mの遊歩道として整備したものです。歩き通すと約三十分かかるので、入口から100mほど歩いて引き返すことにしました。重厚にして剛毅な煉瓦造りの壁、風格のある入口など、一見の価値はありますね。
甲斐路編(7):勝沼(11.5)_c0051620_6162344.jpg

 その近くには、かつて中央本線で大活躍した電気機関車EF6418が野外展示されていました。製造会社は東芝か…核(原子力)発電などという没義道な商いに手を出さず、こうした世のため人のために役立つ物作りに精を出していればよかったのに。
甲斐路編(7):勝沼(11.5)_c0051620_6164374.jpg

 そして駅前で客待ちをしていたタクシーにお願いして、まずは旧田中銀行博物館に連れていってもらいました。窓・ベランダ・車寄せなど洋風テイストを加味した擬洋風建築で、もともとは勝沼郵便電信局舎、そして田中銀行・住宅として利用されたそうです。時間がないので内部の見学は省略、祝橋に向ってもらいました。
甲斐路編(7):勝沼(11.5)_c0051620_617326.jpg

 連続するスリットが印象的な、優美な姿のコンクリートアーチで、お茶の水にある聖橋(1929) および王子にある音無橋(1930)に酷似しています。建設は1931(昭和6)年、この二つの橋とほぼ同時期なので、山田守設計の可能性もありますね。ご教示を乞う。そして駅に戻ってもらい、列車が来るまで近辺を徘徊しました。近くには旧勝沼駅ホーム跡という解説板がありました。それによると、急傾斜の地形のため、スイッチバック方式の駅だったそうです。その後、電化と複線化によって現在の位置に移ったとのこと。またこのあたりは、春になると"甚六桜"が回廊となって咲き誇る桜の名所だそうです。そして山の斜面をうめつくすブドウ畠、甲州ワインの本場であることが実感できました。
甲斐路編(7):勝沼(11.5)_c0051620_617308.jpg

 そして駅へ戻り、中央本線に乗ること数分で塩山に到着です。駅構内に「風林火山」の幟があるのはわかるとして、「樋口一葉こころのふるさと」とはいかに? 掲示されていた観光地図でわかったのですが、一葉の両親が生れ育ったのがここ塩山なのですね、なるほど。武田信玄の菩提寺である恵林寺や、駅前にある江戸期の甲州家屋・甘草屋敷は以前に訪れたことがあるので省略。めざすは旧千野学校校舎を利用した塩山市中央区区民会館です。
甲斐路編(7):勝沼(11.5)_c0051620_6175178.jpg


 本日の四枚です。
甲斐路編(7):勝沼(11.5)_c0051620_6181065.jpg

甲斐路編(7):勝沼(11.5)_c0051620_6182767.jpg

甲斐路編(7):勝沼(11.5)_c0051620_6184842.jpg

甲斐路編(7):勝沼(11.5)_c0051620_6191115.jpg

by sabasaba13 | 2012-09-28 06:20 | 中部 | Comments(0)
<< 甲斐路編(8):塩山(11.5) 甲斐路編(6):大月(11.5) >>