甲斐路編(8):塩山(11.5)

 駅前にある武田信玄と甘草屋敷を模したご当地電話ボックスを撮影し、小用をすませようと振り向くと、なまこ壁を模し武田菱を記した公衆便所がありました。ご当地公衆便所も採集の対象になるかもしれませんね、念のため撮影しておきましょう。中に入って小便器を見ると…おお、的のシールが貼ってありました。焚火です。これまでも、蠅、ろうそく、ダーツの的、スリー・セブンなどいろいろな的を見つけてきましたが、もっと面白くてユニークな的があるに違いありません。それを求めて幾山河越え去りゆく所存です。
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 石造物が無造作に乱立する不思議なしもた屋を撮影し、持参した地図を頼りに路地へ入ると二つ穴の透かしブロックがありました。
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 その先には古い佇まいの荒木歯科医院、鬼瓦に記された金文字の「荒木」がしぶいですね。
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 その前には、まるで科学特捜隊基地のような不思議なフォルムのビルがありました。その先で装飾がまったくない、クールでシャープな外観が印象的な「塩山シネマ」を発見。このペースだと、面白怪しげな物件がさらにありそうですね。わくわく。
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 そして旧千野学校校舎を利用した塩山市中央区区民会館に到着。寄棟造の正面に切妻造の玄関棟が付属する独特の外観ですが、これは改造によるもので、もともとは旧尾県学校校舎と同じ藤村式の擬洋風建築だったそうです。完成は同校の一年後、1879(明治12)年です。近くの商店街をぶらついていると、「館真写鳥千」を発見。いいですねえ、とってつけたような隅柱、窓の上のわけのわからない装飾、大正浪漫風の字体、玄関上の中途半端なアーチ。こういうキッチュな物件に遭遇するとその街が忘れられなくなります。アラキ薬局のファサードには、「津村順天堂 中将湯」という古い看板が飾ってありました。
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 くもみちゃん好みのトンガリ物件を撮影、その近くの電気屋でブラウン管テレビの墓場を見つけました。大量生産、大量消費、大量廃棄、背筋がうすら寒くなるような光景です。こんなことを続けていたら、われわれはにっちもさっちもいかなくなるのでは。高村光太郎の詩句を借りましょう。"人間よ、もう止せ、こんな事は" 
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 「ドライアイス販売 藤屋葬具店」と「白髪染 初姿」という小粋な文句のホーロー看板を撮影し、地下道を抜けて駅前商店街に出ると、はんこ屋とクリーニング店が一体化した商店を発見。いったいどういう関係があるのだろう? 歩道には、自転車が人を跳ね飛ばすイラストのついた「危ない! 歩行者に注意」という警告がありました。ま、そりゃそうですけど、そもそも自転車が歩道を走ること自体に問題があるのではないでしょうか。自転車専用道路をぜひつくってほしいものです。
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 駅前にある道祖神の碑を拝見して塩山駅に到着、今夜の塒がある甲府へと向かいます。
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 二十分ほどで到着し、予約しておいた駅近くのホテルに投宿、荷物を置いて夕食を食べにいきましょう。幸い、駅構内にある観光案内所が開いていたので、ご当地B級グルメ、鳥もつ煮が食べられるお店を教えてもらいました。こちらにもいらした信玄公の銅像に挨拶をして、すぐ駅前にある「力(りき)」というお店に入り、カウンターに陣取り、さっそく鳥もつ煮を注文。
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 目の前に由緒書きがあったので抜粋して引用します。"当店初代店主塩見力造が、実家の蕎麦店に居た昭和25年頃に考案。…醤油と砂糖でアメを作り、鳥もつのうま味を閉じ込める、独特の料理で、煮込み料理ではありません" 塩見力造? もしや味平の御尊父・塩見松造氏の係累の方でしょうか、などと馬鹿なことを考えていると、つやつやと妖艶に輝く鳥もつ煮の見参です。レバー、砂肝、はつ、きんかんといったいずれ劣らぬ手練たちの競演に、腹の虫どもは歓喜の雄(雌?)叫びをあげています。うん、これは美味しかった、東京に帰っても食べたいものです。駅の売店で地酒とつまみを購入し部屋に戻り、シャワーを浴びて一献傾けました。明日は昇仙峡と身延山久遠寺を訪れる予定です。

 本日の四枚、一番上は甘草屋敷です。
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by sabasaba13 | 2012-10-02 06:06 | 中部 | Comments(0)
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