大井川鐡道編(4):金谷(11.5)

 そして橋のたもとにある公衆便所で、奴と町娘の男女表示を撮影。
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 自転車にまたがって島田駅へと戻りましょう。さきほどの踏切のところで、「いたわりゾーンここまで」と記された、老婆の手を引く子供のイラストが描かれた看板がありました。いつもの小生でしたら、「おいおいここから先はいたわらなくていいのかい」と半畳を入れてしまうのですが、さきほどの穏やかな気持ちの余韻が残っているのでしょうか、「えらいえらい、よくここまで付き添ってあげたね」と褒めてあげました。駅前に着くと栄西の銅像を発見。
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 栄西-臨済宗-建仁寺-『興禅護国論』という大学受験用日本史重要暗記事項が電光石火のように脳裡を走りました。栄西と島田??? 解説板を読むと、留学先の宋からお茶の実を持ち帰り、喫茶の習慣を世に広めた茶租・栄西の情熱を受け継ぐのが、ここ茶どころ・島田なのだそうです。『喫茶養生記』序の一節が記されていました。
 茶は養生の仙薬なり。
 延齢の妙術なり。
 山谷これを生ずれば、その地は神霊なり。
 北条氏の専横によって政治から疎外され、後鳥羽上皇を慕って和歌の世界にのめりこんだ鎌倉幕府三代将軍・源実朝、それがまた幕府を脅かす行為だとして疎まれ、すっかり嫌気がさし酒浸りの日々だったそうです。その二日酔いを治すために、『喫茶養生記』を著して献上し飲茶を薦めたのが栄西だという話を聞いたことがあります。丁重にお礼を言って自転車を返却し、東海道本線に乗ると次の駅が金谷です。駅構内には「無茶しない 春の踏切事故防止キャンペーン」というポスターが貼ってあり、買い物かごを持った主婦が踏切でリンボーダンスをしていました。なるほど、これは無茶だ。さて千頭行き蒸気機関車の発車時刻は11:48、一時間強ほど時間があります。小股の切れ上がった鯔背なウェイトレスのいる喫茶店があれば、昼食をとるつもりでしたが、駅前には喫茶店の「き」の字もありません。ま、これは想定内、東海道石畳を見て、大人の社会科見学、牧ノ原台地を散策することにしましょう。駅の隣にある観光案内所で地図をもらい、牧ノ原大茶園まで行くバスについて伺ったところ、原発建設を推進し続けてきたのに何の反省もない自民党の廉恥心のようにほとんどありません。ま、これも想定内、覚悟を決めて歩くことにしました。その先にある大井川鉄道金谷駅で予約しておいた指定席券を購入し、二日間有効の大井川全線フリーきっぷを6,600円で購入。ちなみに2000(平成12)年から、社名が「大井川鐡道株式会社」と旧字体に変更されたそうです。"鉄"="金を失う"ので、縁起をかついだとか。
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 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2012-10-16 06:17 | 中部 | Comments(0)
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