大井川鐡道編(14):尾盛駅(11.5)

 やがて右手に長島ダムの巨躯が見えてくると、長島ダム駅に到着です。ここでアプト式電気機関車は切り離され、ここからは再びディーゼル機関車が牽引していくことになります。数分で湖が近づいてきて、そこにかかる鉄橋(レインボーブリッジ)を渡ると奥大井湖上駅に着きました。そしてふたたび鉄橋を渡った列車はトンネルへと入っていきます。つまり湖の中央に突き出た舌状の山地につくられている、何とも摩訶不思議な駅です。実はこの接岨(せっそ)湖は、長島ダムによって大井川が堰きとめられてできた人造湖なのですね。そして先述した、U字型に急カーブする蛇行、嵌入(かんにゅう)蛇行が観察できる場所です。半円状の急カーブのちょうど中心点あたりに駅が位置しているわけです。それにしても想像を絶するような超弩級のヘアピンカーブ、あらためて自然のもつ底知れない力にただただ恐れ入るのみです。
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 そして接岨峡温泉駅を過ぎると、次は知る人ぞ知る、知らない人は知らない、どうでもいい人にはどうでもいい尾盛駅に到着です。そう、秘境駅訪問家の牛山隆信氏が全国第三位にランクした秘境駅です。なお詳細については氏が主宰しておられる「秘境駅へ行こう!」をご覧ください。その巻頭言を引用しましょう。
 ここでは日本全国の鉄道路線に現存する、周囲に人家が少なく大自然の真っ只中にあるような駅を紹介しています。こうした駅は今日のモータリゼーションの普及や、過疎化の進行により利用者が減少したことで、路線そのものが廃止されることが多い現在、奇跡的に生き残った貴重な存在と言えます。(中略) 駅へ続く車道はおろか、歩道さえ無いこともあり、簡単に到達出来るものではありません。しかし、断崖絶壁や深い山中、原野が広がる無人地帯にも「駅」として存在しているのです。その殆どが寂しい無人駅ですが、古い木造駅舎や鉄道遺構などが残っていたりしていて、興味が尽きません。
 なおこのランキングは、秘境度:周囲が断崖絶壁、深い山林、荒涼とした原野にあり、人家が無い(少ない)、雰囲気:駅舎や待合室、周囲の建造物などに古い歴史を感じさせる、列車到達難易度:列車本数が少なく、普通列車でも停車が少ない、車到達難易度:駅までの道が無い場合が最も高く、次いで歩道のみ、未舗装の林道など、クルマやオートバイでの訪問が困難、という四つの評価基準に基づいてつけられたそうです。ま、それはさておき、下車するわけにもいかないので(次の列車は一時間七分後)、車窓から拝見することにいたしました。荒廃した空漠としたホームにはプレハブの小さな駅舎と狸の焼き物、付近には下見板張りの木造家屋と、建物の跡がありました。車内放送の解説によると、かつてはダム建設関係者のために周辺に宿舎多数や小学校もあり、医師も常駐していたそうです。うーん、正直に言って"秘境"とは言い難い雰囲気、ここに徒歩で到達する際の困難さを牛山氏は評価されたのでしょうか。
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 本日の二枚です。
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by sabasaba13 | 2012-10-27 06:30 | 中部 | Comments(0)
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