軽井沢編(13):懐古園(11.7)

 朝六時前に目覚めてしまったので、朝食までの小一時間、すぐ隣にある懐古園を散歩することにしました。ガイドブックによると開園時間は午前八時半、入園料は500円ですが、経験則だとこの時間帯は市民のために無料で開放されていると見た。ビンゴ! 地元の方々が、朝の散歩のため三々五々、三の門をくぐって中に入っています。それでは私もご相伴にあずかりましょう。ここ懐古園は、白鶴城や酔月城とも呼ばれた小諸城の跡です。この城は、全国的にも珍しい城下町より低い穴城で、浅間山の火山灰で出来ている谷と丘を利用して造られ、水を用いず、崩れやすい断崖を利用した堅固な要塞となっているそうです。さわやかな朝の空気を味わい、城壁と緑の木々を愛でながら歩いていくと藤村記念館と彼の銅像がありました。
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 するとどこからともなく聴こえてくる草笛の音。誰が吹いているのでしょう、旅情をかきたてられます。その音の方へ向かうと、なんだ、スピーカーから流れていました。その箱の解説を読むと、雨の日も風の日もこの場所で22年間にもわたり、説教の代わりに草笛を吹いて旅人を慰めた「草笛老師」横山祖道を記念したモニュメントでした。その先には千曲川旅情の歌の記念碑、そして水の手展望台があります。木々に阻まれて千曲川の流れがよく見えないのが残念。
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 すこし歩くと富士見展望台がありますが、ここからは千曲川はまったく見えません。「富士山の方向」という看板があるので富嶽が見えるはずなのですが、分厚い雲のためその片鱗すら拝めません。これも残念。途中にあった石垣には若山牧水の歌が刻んでありました。「かたはらに秋くさの花かたるらく ほろびしものはなつかしきかな」
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 ホテルに戻って朝食をいただき、小諸駅からしなの鉄道に乗ること三十分ほどで坂城に到着。幸い駅前に観光案内所があり、自転車を借りることができました。こちらでいただいた観光地図を見ていると、1877(明治10)年に建てられた格致学校の校舎が保存されているとのこと。おおこれは見に行かねば。しかし不正確きわまる粗雑な地図に苦心惨憺。「稚拙も未熟でもいい。粗雑とは心の病である」という小倉遊亀の至言が脳裡をかすめます。それでもペダルをこぐこと二十分、ようやく辿り着くことができました。白漆喰に屋根瓦という和風建築に、正面入口のアーチや開き窓などちょっぴり洋風テイストをちりばめた擬洋風建築ですが、質素にして凛とした佇まいがいいですね。なお"格致"とは、中国の古典「大学」の中にある"格物致知"からつけられたそうです。
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 本日の二枚です。
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by sabasaba13 | 2012-11-16 06:17 | 中部 | Comments(0)
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