軽井沢編(14):上田(11.7)

 そしてキコキコとペダルをこいで駅へと戻り、すぐ近くにある昭和橋へと行きました。おおこれはピクチャレスク! 九つのアーチがリズミカルに連なる、千曲川、背景の山々があいまって一幅の絵のようです。竣工は1937(昭和12)年、これからも末長くみんなの暮らしを支えてください。その近くには北国街道の宿場町、坂木宿がありますが、往時の面影はあまり残っていません。それでも名主を務めた坂田家や、本陣跡に建てられた旧春日邸など、趣のある物件が散見されました。
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 自転車を返却し、坂城駅前に行くとこちらにも若山牧水の歌碑がありました。「春あさき山のふもとに畑をうつうら若き友となにをかたりし」 その隣には高浜虚子の句碑。「春雷や傘を借りたる野路の家」
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 そしてしなの鉄道に乗り込み、上田へ移動。駅前からタクシーに乗って、稲倉の棚田に向ってもらいました。ローマ橋と呼ばれる上信越道の巨大なアーチをくぐり、しばらく山道を走ると棚田に到着です。上田駅から二十分ほどかかりました。
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 緩やかな斜面の地形を巧みに利用した棚田とたわわに実りつつある稲穂、そして眼下には千曲川の流れと塩田平、連なる山々の眺望が開けます。紫煙をくゆらしながらしばしの間、自然の佇まいと人間の営為のコラボレーションを堪能。
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 上田駅へと戻り、観光案内所で貸し自転車に関する情報を教えてもらい、駅近くの駐輪場で借り受けました。上田は二度ほど訪れたことがあるので、今回はその時に見逃した物件の探訪です。まずは笠原工業常田館製糸工場へ、製糸関係の施設群が残る貴重な文化遺産です。特に繭倉は、初期の多窓多層式(乾燥のための窓と階層が多い)のもので貴重な物件だそうです。「蚕都上田」の息吹きを伝える建物群ですね。残念ながら中へは入れないので外観のみの見学となります。
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 そして信州大学繊維学部講堂(旧上田蚕糸専門学校講堂)へ。竣工は1929(昭和4)年、養蚕業の盛んなこの地方で繊維教育のために設立された上田蚕糸専門学校の講堂です。切妻の三角屋根と三角に張り出す窓が、心地よく共鳴しています。それでは上田蚕種協業組合事務棟へと向かいましょう。途中にあった建物はファサードの手の込んだ意匠が気になる物件、何か謂れがあるのでしょうか。そして上田蚕種協業組合事務棟に到着、1917(大正6)年頃に建てられたという、養蚕業で栄えたこの地のシンボル的な建物です。下見板張りの端正な建築で、ペディメントを付けた大きな窓がいいアクセントになっています。入口の上部をよく見ると、蚕と繭をデザインした木彫がとりつけてありました。なお奥の方には、古い製糸工場らしき物件もあります。
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 そして細い路地をうねうねと走り、旧常田幼稚園園舎へ。竣工は1919(大正8)年、設計はヴォーリズ合名会社で、正面に張り出した半六角形状の入口がチャームポイントです。その前にあるのが旧草間歯科医院、大正期に建てられた下見板張りの瀟洒な洋館で、縦に連続する窓が印象的です。
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 本日の五枚です。
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by sabasaba13 | 2012-11-17 06:21 | 中部 | Comments(0)
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