山形編(2):山形へ(11.8)

 八月好日、大宮駅から山形新幹線「つばさ」に乗込み、上山温泉に向けて出立。郡山のあたりを通り過ぎた時、ブルーシートで一部が覆われている屋根を車窓からいくつか見かけました。
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 3.11の揺れの凄まじさがうかがわれます。そしてここ郡山は福島第一原発からそう遠く離れてはいないので、やはり放射能による汚染が心配です。数十年後、あるいは数年後、原発周辺の汚染された地に暮らす方々、とくに若者、子ども、新生児、胎児にどのような影響が出るのかと考えると、暗澹たる気持ちになってきます。もしも政府が、仮に住民の生命や健康に対する配慮の念をかけらでも持っているのであれば、すぐに、徹底的な調査、除染措置、そして場合によってはどんなに大規模になろうとも当該地からの住民の避難を、責任をもって行なうべきです。ホッブズが「いかなる形態であれ、国家が保護の職務を引き受ける限り、民衆はこの国家を正統とみなすことができる」と言っていますが、その通り、民主党でも自民党でもその他の政党でも、民衆の保護を実際に行なった政権のみを正統と認めましょう。それにしても不可解なのは、尖閣諸島や竹島や北朝鮮に関する問題が起こると"待ってました"とばかりに大騒ぎする国会議員やメディアが、この問題に関しては路傍のお地蔵さんのように黙していることです。きっと、彼らにとって「国益」とは、民衆の利益ではなくて、民衆を国家権力に従順にさせるナショナリズムの昂揚なのでしょうね。やれやれ、溜息すらでません。こんな国を愛せったって、それは無理というものです。
 さて、かみのやま温泉駅には、10:51に到着の予定。街を徘徊して、斎藤茂吉記念館を見学して、タクシーで楢下(ならげ)宿と花咲山展望台に行って、早めに投宿して温泉につかろうと考えています。椅子のポケットにあった車内誌「トランヴェール」を何気なく読んでいると、「ローカル線で行こう! その先の東北へ」という特集記事がありました。
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 会津鉄道、由利高原鉄道、五能線津軽鉄道、秋田内陸縦貫鉄道、十和田観光電鉄、三陸鉄道、阿武隈急行、福島交通、弘南鉄道、いくつかは乗ったことがあるなあ、そして山形鉄道… ん? 山形鉄道は、通過駅の赤湯からつながっているぞ。紹介文を引用しましょう。
山形鉄道 赤湯←→荒砥 〈17駅 30.5km〉
 山形鉄道は、「赤湯駅」から最上川に沿うように走る路線だ。愛称は「フラワー長井線」。「置賜さくら回廊」という43kmもの桜街道と並行するようにして走る。沿線は、江戸時代に最上川の物流の拠点として栄えた地域である。時代が明治に変わり、川から陸へと物流の中心が移った後も、開通した鉄道が最新の文化を運んできた。終点の「荒砥駅」の手前、最上川に架かる「荒砥鉄橋」はイギリス人ポーナルの設計で、明治期に完成した日本最古の長大鉄橋であり、大正12年の開業時に移築、今なお現役である。「長井駅」は大正時代に建てられた開業当時の建物の一部が残されている。駅の周辺には、昭和初期に完成した小学校や医院の建物などの洋風建築が多い。
 鉄橋と古い街並みか、これは食指をそそられます。よし、それでは予定を変更して赤湯駅で下車して山形鉄道に乗り、荒砥鉄橋と長井を見物することにしましょう。
by sabasaba13 | 2012-11-24 06:15 | 東北 | Comments(0)
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